最愛のビッチな妻が死んだ 第24章
交際38日目 3月26日
僕は原付と車の住所変更に警察署へ行った
「警察署先にきた」
「出頭か。面会行くから」
「ありがと。味付け玉子とパイの実、差し入れよろしくー」
「パイの実の間に、赤玉挟んどくから」
「31」
「え、何!? 囚人番号?」
「31日に交付されるから、また取り行くみたい」
「31は省略し過ぎやな」
「途中で送信してしまった。今日はどうする? ギタースタンドか指輪か」
「肌ケア完了」
「では、幼妻をさらいにいくか」
実家まで車であげはを迎えに行き、自宅で荷ほどきをする。この日、僕は夜から取材が入っていた。あげはとは取材が終わったら、どこかで合流してごはんを食べる約束をして、家を出た。
「いってらっ」
「いってきます」
「どこ行こかなーー」
「あ、行ってきますのチューするの忘れた」
「知っている。終わり時間読めないんだよね? 渋谷出るのに42分かかるから、心折れ気味で」
「まだ、時間わからんのよね」
「眠過ぎて、運転不安だぜ」
あげはは渋谷で時間を潰すつもりらしい。
「ヨウヘイと渋谷にいるよーー」
「終わった」
「おおう。迎え行く?」
「大丈夫、電車で行くよ」
「ヨウヘイがおいしい店詳しいよ。中華食べ放題か、ハダキチか、椿食堂? ステーキリベラも勧められてるww」
「任せるよ」
「椿食堂は魚がおいしいって。選んでくれたら、動く。中華食べ放題なら、恵比寿、ハダキチなら渋谷。ハダキチ行く? やっと」
「行こか。山の手乗った」
夕ごはんはあげは馴染みの店「ハダカキッチン」に決定。友達の家のようなアットホームな雰囲気のお店だった。
あげはのSNSには、こう投稿されていた。
「やっと、ハダキチに夫ちゃんを紹介できたのよん☆★」
僕はこうして少しづつ、あげはの友人に紹介されていった。
幸福も不幸も交じえて、ただ、一切の日々は過ぎてゆく。
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