中二病を患った中卒の男が、大卒の収入を圧倒的に突き放した○○な話
次話:
登校拒否児、全国へ羽ばたく
拝啓、12歳の僕。
32歳になった僕には、最愛の妻がいます。びっくりだよね。まさか、この僕が結婚するなんて。
もうすぐ子供が生まれるんだ。パパになるんだってよ。楽しみだね。
それで……大変申し上げにくいんだけど、君がいつも夢見てた、「武道館のステージで歌を唄う」は、まだ叶えてあげられていないんだ。
でも、プロのボイストレーナーになってね。ボイストレーナーとしてなら、武道館のステージに立ったんだよ。
これもびっくりだろ?
君、歌下手くそだもんね。
でもね、今の僕は上手だ。
だから、少しだけ許しておくれ。
それで今は、ボイストレーナーとインターネットビジネスをやりながら、自由に楽しく暮らしているよ。
会社勤めじゃないから、いつだって妻と一緒にいれる。子供の運動会だって、ちゃんと応援しに行って、親が走る枠では全力疾走するつもりだ。
素敵な仲間も沢山いるよ。
バンドはちゃんと続けているから安心してください。ただ、年に2回位しかライブをやれていないけどね。
ところで、君は今、学校の皆からシカトされてるでしょ?嫌だよね、いじめって。
バスケ部の試合に行く交通費がなくて、恥ずかしくて仮病で休んだ日があっただろ?それが原因なんだよ。
家、めちゃくちゃ貧乏だったから。
きつかったよな……今、きついよな?
今でも鮮明に覚えてるよ。誰も僕に気付かなくて、僕はまるで幽霊みたいに。
誰かに気付いて欲しくて、皆に近づくんだけど、誰も僕の事見えてなくて。
たまに目が合った気がするんだけど、慌てて目をそらされてさ。
不思議な事に、担任の先生だけは僕が見えたのかな。
僕の名前呼んでくれたけど、声が出せなくて、返事しないもんだから、先生怒ってたな。
……机がベランダに捨てられてた日もあったね。
頭が真っ白になってさ。視界が狭くなってきて、苦しくて、きついんだよな……。
でも、君は、頑張って乗り越える事が出来るから、そんなに暗い顔をしなくても大丈夫だよ。
これから、君が今日までどうやって生きてきたのかを、少しだけ詳しく話すから、時間のある時にでも最後まで読み進めて欲しい。
大丈夫。君が最後まで読めるように、出来る限り楽しい文章で綴っていくから。
それじゃあ、はじめよう。
ストーリーをお読みいただき、ありがとうございます。ご覧いただいているサイト「STORYS.JP」は、誰もが自分らしいストーリーを歩めるきっかけ作りを目指しています。もし今のあなたが人生でうまくいかないことがあれば、STORYS.JP編集部に相談してみませんか? 次のバナーから人生相談を無料でお申し込みいただけます。
あなたの親御さんの人生を雑誌にしませんか?
著者の亮 中平さんにメッセージを送る
メッセージを送る
著者の方だけが読めます