そして未来へ

前話: 破壊と再生

その日、僕はスタジオにこもって懐かしい仲間と音を出しあっていた。

僕が青春を捧げたバンドのメンバーがそこにいる。  

不思議なものだ。こいつらが出したその音は、一瞬で僕の中で眠っていた細胞を目覚めさせる事が出来るのだから。

メンバーの中には、経営者になっている奴もいれば、プロのミュージャンとして活動している奴もいる。

バラバラだったはずなのに、“音”は、一瞬で隙間を埋めた。 

まるで、湯船につかっている時の心地よさがそこにはあったのだ。 

そして、ライブの日程が決まり、月に一回のスタジオリハーサルを僕は全力で楽しんだ。

気付けば、ドライバーの仕事も楽しめるようになっていた。やはり、私生活が充実しているからだろう。何事もバランスだ。 


しかし、事件は起こった。


「待ってください!僕は、三ヶ月も前から、この日は予定があるから休みたいと言っていたじゃないですか!」

「いやいや、中平さんがいなきゃ休日は回らないよ!高校生のバイトじゃないんだから、そんなライブごときで仕事休まれちゃ困るんですよ!」


……社会ってのは、自分が存在してはいけないんだ。


自分を殺し、環境の言いなりになる場所、それが社会なのか……。


バランスが保てれば楽しいと思ったけど、バランスなんて保てやしない。


こんな世界、僕には我慢が出来ない。


本気で手に入れたい事まで奪われる世界を社会と呼ぶなら、


僕は“社会不適合者”で構わない。


「辞めてやる」


僕は、スマホを手に取り、迷うことなく“ある人に”電話を掛けた。

「あ、もしもし。あ、うん、久しぶり。あのさ、ちょっと教え てもらいたい事があるんだけど……」 

僕がその電話を切った時、ライブは決行するという事で決まった。

誰にも邪魔されてたまるか。

つまり、僕は仕事を辞めることを決意したのだ。

ちなみに、僕が電話を掛けた相手とは、以前電話を掛けてきた生徒さんだ。


----------その彼はね、今では僕の師匠なんだよ。不思議だよね、生徒さんが師匠になるなんて。ほんと、僕らしい、楽しい人生だよ。

もちろん、彼からインターネットで稼ぐ方法を沢山教えてもらったんだ。

お陰で、ドライバーで稼いでいた金額は、二ヶ月目にはもう超えていたよ。 


さて、ここまでは、


君が知らない君の未来の話だ。 


ここからは、僕も知らない、君の未来の話をするよ。


長くなると思うけど、君の未来なんだ、しっかり読んでくれ。


あ、と、その前に。君に1つお願いがある。 


必ず、君の人生は成功する。


それは、現代の僕、未来の君が証明してるんだ。


だからね、これから起こる多くの問題は、全て大したことない。


どうか、強気で、本気で、生きてくれ。


それでは、未来の話をはじめよう---------

12歳の自分への手紙。

そんな手紙を読んでくれたあなたへ。

最後まで読んでくれて本当にありがとうございます。

ちなみに、僕の未来はどうなるんでしょうか?

実は、インターネットビジネス、物販ビジネスで稼いだお金を、ボイストレーニング事業に大きく投資しようと考えています。

必ず、2020年には、僕の名前をあなたは思い出す事になりますよ。

楽しみにしていてください。

あとは、妻がハンドメイド作家をやっているので、一緒に絵本を作ろうかな。なんて考えています。

そしてもちろん、バンドはもっとやっていきますよ。

これを僕から取ると何も残らないことが分かりましたから。


さて、あなたの夢はなんでしょう?

やりたいけど、我慢している事はなんでしょう? 

あなたの人生も、やはり、例外なく一度きりです。

どうか、他人の言いなりにならず、あなたの人生を生きてください。


大丈夫ですよ。


これから起こる多くの問題は、全て大したことないです。


ですから、強気で、本気で、生きてください。


あなたが、理想のライフスタイルを叶える事を、僕は心より願っております。

中平 亮

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