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13/5/24

第1話「ある青年の話」

Image by Olia Gozha

僕が、あなたを好きでいる理由


僕には、愛して止まない人がいる。
彼女には、何もかもを犠牲にしてでも貢献したい。


ダメな僕を変えてくれた彼女。

そんな大好きだった彼女が、ある日突然、

「私、あなたのことあんまり好きじゃなかった。
もっと安定した公務員の人と結婚したい」


別れは突然、訪れる。


僕は、廃人となり、半年間引きこもりを続けた。


あまりのショックで何も出来なかった。

ご飯も喉を通らず、ベットに寝たきりだった。

ある日、何気なく自分の寝ていたベットを見てみたら
そこにカビがはえていた。

僕は、ついにカビになってしまったのか?


もはや、人間であることを赦されなくなった。
「死にたい」

だが、そんなある晩の夜、ふと我に返った。
「彼女は、山登りが大好きだった。山登りが出来るようになれば
彼女は、僕を認めてくれるんじゃないか?」

生のエネルギーが僕の体を埋め尽くす。

それからと言うもの、当時大学生だった僕は、

大学の山岳部に入部し、山登りに明け暮れた。

山は、楽しい。

日本の山を沢山登った。

当時、山岳部は僕を含めて2人しかいなかった。

先輩と僕の二人だ。

北海道で60キロにも及ぶ縦走(山をいくつも越える)
をした際は、遭難しかかった。

本当に死ぬ思いだったが、何とかゴールである
日本海にたどり着いた。

冷たい風が頬を通り過ぎ、疲れきった体は肩を揺らし、
白い息が遥か地上に次々と消えていく。

しかし、そこに確かなものが存在する。

僕は、この過酷な試練を耐えたのだ。


次は、世界だ。


世界を目指そう。





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