営業いろいろ

前話: 禁じられた遊び
次話: 580円の代償
独立当初、私は普通の一般住宅の1室を借りて事務所にしていた。 
知人のお姉さんが住んでいた家だったらしいのだが、そのお姉さんが病気で長期療養してて空き家になっていた為「応接室が荷物も無いので使って良いよ」って話しで格安で使わせて戴いていた。 
だからまぁ、目立たない事務所だった。
営業の方々は「こんな所で事務所?」って戸惑った事だろう。 
そして私は独立当初から結構建設新聞に載るような大型物件をやらせて戴いていたので営業来客は非常に多かった。 
だからまぁ色々トラブルがあった訳で・・・・ 


ある日の業者さんは変わった人だった。


 事務所に電話があり「○○を扱っております○○と申しますが、今事務所の真ん前にいますのでそちらに行きます」という。 
電話しながら窓から既に姿が見えている・・・



 なのに入ってこずになぜか事務所の前の道路を何往復もしている。 
不思議な行動だ。 そしてやっと庭に入ってきた。
 やっと入ってきたか。と思ったが今度はなかなか玄関が開かない。 
その時窓ガラスには家の周りを何度も往復する人のシルエットが写しだされていた。
 電話があってからここまでで3分くらいかかっている・・・


私はしびれを切らして玄関に向かい、扉をあけ「こっちですよ」と叫んだ。 
あれっ。姿が消えている・・・ 


おかしいなと思いながら部屋に戻ってびっくりした。


 その人は窓から直接部屋に入ろうとしているらしく、必死の形相で鍵の掛かった窓に全体重をかけていた。 
 私は窓の鍵をあけ、冷たい表情で一言。
 「玄関から入ってください」 

 そして又別の話。 
某病院の設計をやっているってのが建設新聞に載った直後は特に飛び込み営業が多かった。 
私の名前は岩野。結構ありそうでない名前。
そして宮崎には岩切って名字の人が沢山いる。  
そして飛び込みの営業。


 玄関を開けるなり「岩切設計さん!はじめまして!」と。
 実際岩切設計って事務所もあるわけで私は冷たく「ちがいますよー。」と答えた。


 ら。その営業マン、「????」って軽くパニック状態。 
「いや ・・・○○病院の設計をやられている岩切設計さんですよね?今朝の建設新聞に載っていたのですが・・・」 
「○○病院の設計は岩切設計じゃないですよ。」
と答えたらもう完全に先方パニック。 
 「失礼しました・・・・」と帰って行く。



 で、一度出て門の外で看板を眺めながらずっと考え込んでいる。  
私はその姿を窓からじっと見つめていた。面白かったので。  
看板の前で1分ほど考え込んでいただろうか。 
明らかに「あ!!」って表情をしているのが窓の向こうに見える。


 全力で玄関に戻ってきてピンポーン!! 
ドアを開けるなりクイズミリオネアの回答者バリに一言


 「・・・・岩野亨建築設計事務所・・・」  
 私もみのもんた風に 「・・・・正解です! 」 
 先方安堵の表情を浮かべて 
「大変失礼いたしました。岩野先生いらっしゃいますでしょうか?」
  「私です。」
 「!!!!!!(あせっ)!!」
 まさかあんだけの規模の病院をあんな所で私みたいのが一人でやってるなんて誰も思わないわなーー。  
 まぁ、あと以下は事務所の規模とか体裁とか関係なく失礼な営業マンの話し。
 対面するなり心配そうな表情で
「いわのさん!お体どうかされたんですか??」と。



 ??なんで?って聞いたら 
「いや・・・すごく太られて・・・」
とすごく心配した感じで言われたので
「太ってるんですよ!!!」とぶち切れましたね。


 そして怒る私に対する言い訳がこれ。 
「いや・・・私はただ・・・ 異常にお顔がぶくーーっとされているので、どうかされたのかなって思っただけでして・・・」



 ドッカーン!!!でしたね。私。 
私は営業ってしたことないんで分からないんですけど、営業って仕事、色々大変なんだろうなって思います。 

サイトからのお知らせ

STORYS.JPはあなたの一歩を応援しています

生き方は少しずつ自由になってきましたが、未経験分野への挑戦(転職)はまだまだ難しいのが現状です。これを踏まえて、STORYS.JPは誰でも実務経験を得られるサービス『adoor』をリリースしました。 最初はエンジニア職を対象にしています。STORYS.JPは、どんな人でも人生の一歩を踏み出しやすい世の中を目指しています。

実務経験は買える「adoor」

続きのストーリーはこちら!

580円の代償

著者の岩野 亨さんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。