想像と創造 「技術者、研究者にとって一番大切なこと」
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技術経営(MOT)との出会い
「技術者、研究者にとって一番大切なことは、"Imagination と Creativity"だ」
卒業研究の指導教官からいただいた言葉で、頭の中で「想像」したことを具体的な形に「創造」すること技術者の仕事だと。
私自身は技術者、研究者にはならなかったけれど、高専5年間で学んだことの中で今でも大切にしている言葉だ。
高専は4年生の後期から研究室への配属がスタートする。
定員を超えた場合、所属していた機械工学科は成績順ではなくなぜか「じゃんけん」で決めるというルールがあった。
幸いじゃんけんにも勝った私の研究テーマは「空間7R機構によるスターリングエンジンの出力制御」。
空間7R機構とは、機構学でいう回り待遇を7つループ状に連結させた回転限定連鎖のこと。空間機構をリンクをある長さの比で設計した上で回転運動を加え、相対角を変化させることで可変出力が得られるというもの。
スターリングエンジンは、熱効率の良いカルノーサイクルを実現する外燃機関で、熱を与えるまたは冷やして温度差を与えることで動力が得ることができる。
ただ、スターリングエンジンは温度差で作動するため、自動車のレシプロエンジンのようにアクセルのオンオフで制御することができない。
そこで、スターリングエンジンのコンロッドに空間7R機構を連結させ、トルクコンバーターなどを使わずに機械的に制御しよう、というのが研究の主旨であった。
私の指導教官は多忙な方だったので、実験を見てもらったりとか細かい指導はしてもらえなかったが、自分たちで仮説を立てて挑戦していくことを許容してくれ、失敗も大目に見てくれた。
常に想像力を発揮して考え続けること、失敗を恐れずに考えたことを形にしてみる、すぐに行動して修正しながらゴールに向かっていくこと。
技術者、研究者としてだけではなく、ビジネスマンとして生きていく上でとても大切なことを教わったと今でも先生には感謝しています。
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