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ウィーンの子育て話 3

Image by Olia Gozha

ウィーンの第一歩

窓の外を眺めると、雲の切れ間から緑のパッチワークのような景色が見えてきた。


珍しくツアー客が少ないから、とCAさんが真ん中の4席を私達3人に用意してくれた。

出国間際まで仕事をまとめ最後の荷造りと片付けをした主人は、3席をフルフラットシートのように使い爆睡。私は、というと眠りが浅く熟睡してくれない息子に付き合いシートに座ったまま。


着陸態勢に入る間際に、最後のおむつ交換とトイレに立った時には、オーストリアの田園風景が眼下に広がっていた。

「みてみて、もうすぐ着くよ。ウィーンに着いちゃうよ」

息子に話しながら、楕円形に切り取られた緑のパッチワークを眺めていたが、不思議と新しい生活への不安はあまりなかった。


飛行機からのびる通路を歩いて、空港の建物に到着。

建物に近づくにつれ、沢山の香水とモノの匂いに包まれる。アメリカに行った時とは違う、ドイツに行ったときとも違う、また別な匂い。

国際空港の人がごった返すイメージで構えていたら、あれっ?と思うほど人が少ない。

荷物を受け取るターンテーブルでツアー客の一団が過ぎると、静けさが戻った。

・・・・本当にウィーンに到着したのだろうか?

ドイツ語の表記も見えるし、確かに大柄な人が歩いている。


半年前に一人でウィーンに来ている主人は慣れたもので、私がきょとんとする姿を笑っていた。

大きな自動ドアが開き、到着を待っているお迎えの人が数名見えてきた。

「Hi! Welcome!」

大柄でエルトンジョン似のボスがにこやかに手を振っていた。

ラフな半袖のシャツに半ズボン、スニーカー姿で私たちを出迎えてくれた。

「えっ!まって、まって!」

5か月前に日本で会ったときは、講演のためスーツ姿だったので、あまりの違いに時差ぼけと睡眠不足も手伝って頭がついていかない。


理解がついていかないまま、ボスの車に乗り一路これから先数週間暮らす研究所のゲストハウスに向かった。


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