新説 白雪姫

前話: ある設計事務所代表の哀愁
次話: 我が心の jazz bar
長女と次女がまだ小さかった頃、寝かしつけの絵本読みは私の役目であった訳でして。
ただ、、、普通に読んでも面白くないので色々独自解説をつけて読んであげていた。
ある晩の子供寝かしつけ時の絵本は名作「白雪姫」。
白雪姫って酷い奴だよね。

白雪姫は継母魔女から逃れる為、森をさまよう。
「あら?こんなところに『小屋』が・・・」

失礼じゃありません?
小人達はそこを小さいながらも僕らのマイホームって自慢に思ってるかもしれないんですよ。
考えても見てください。
ある中堅サラリーマン(専業主婦の妻と幼稚園に通う2人の娘)が人並みの給料を貯めに貯め(好きな酒も飲まず、会社の同僚達からは「あいつ付き合い悪りぃよ」と嫌われ、家族と外食なんて年1回の行事。)、40才でやっとマイホーム。こんな郊外でしかもたった20坪。近くにコンビニなんかありゃしねぇ。でもローンはあと35年。
「はぁ、75までがんばるか・・・やっと念願のマイホームだし・・・」


なーんて事でお父さんはホントにがんばっているのにね。
そんな家族の「小さな幸せマイホーム」をいくら郊外だからって「なに?この田舎?」とか言いながら迷いこんできた世間の「せ」の字も知らない小娘が




「あら?こんなところに『小屋』が・・・」

お父さんがこの小娘絞め殺したとしても許したくなりません?
そんな想いで建てた家をこともあろうか『小屋』よばわりですよ。

で、さらにその小娘、家主留守中勝手に上がりこんで事もあろうかベッドまで拝借しちゃう。家主(小人達)が帰ってきて周りを包囲されてるのに、この小娘目覚めるなり余裕しゃくしゃくで
「あら、小人さん。」

こんな失礼許されると思います?
ここの家主達、たぶん遺伝子レベルの事情で体が小さいんですよ。
もしかして世間の差別的な目になんだか傷ついちゃって、同じような友達と相談して
「もう俺らだけで生きていこう」って一代決心で森の生活を選んだ可能性あるんですよ。

そんなナイーブな初対面の人々に対し、しかも勝手に人ん家で昼寝までして、開口一番




「あら、小人さん。」

あ~~それだけは、それだけは言っちゃダメ~~~~って言葉じゃないですか?
親の顔が見てみたい・・・って魔女か・・・
しかしお父さん女見る目なさすぎ。魔女くらい気付けよ・・・それとも気の強い女が好きだったとか?まーいいや。人の女の趣味にまでつっこむ暇はないしぃ。

とまあ、こう考えると白雪姫の話ってただの親子喧嘩って気がしません?
まぁ、どっちもどっちかなぁ。もしかしたら魔女としてはしつけのつもりだったかもしれないし。「この子ったらほんと性格悪い。世間様に迷惑かける前に私の手で・・・」って成り行きだったかもしれないし。

とりあえず王様、この家ですごく大変そうだな・・・・



同情します。。。







著者の岩野 亨さんに人生相談を申込む

続きのストーリーはこちら!

我が心の jazz bar

著者の岩野 亨さんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。