一年間の浅いい話第三回

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 引き続きましておばさまCの話です。実際のところAとかBとかCとかいうのは、匿名にせざるを得ないため便宜上つけたもので、ひとりかもしれませんし、あるいは、Aさんのエピソードが実はBさんのものであったりと、混乱をきたしている可能性もございますが、ともあれ、この話は大阪のおばさまはやさしいという話ですから、問題はありません。
 で、おばさまCの話です。おばさまCはとても綺麗な人でした、いや、です。今でも綺麗なはずに違いありません。大阪の女性はこれほどまで美しいかと感心するほど綺麗でした。それはいいとして、おばさまCも他のおばさまに違わずやさしい人でした。少々綺麗だからと言って、どこぞの地方の女性陣と違い高飛車な態度をとったりなぞ致しません。おばさまCは頻繁にジュースを私に奢ってくださいました。そのおばさまは愛想がいいというわけではありませんでしたが、そのつっけんどんな感じがかえって親しみを感じさせてくれました。
 おばさまCは「これ飲むか」などと声をかけてくれて、炭酸ジュース一缶の半分を自分のグラスに注ぎ、残りを私のとんぶり鉢に注いでくれました。別に金に困っていたわけでもないのですが、めんどうなため、仕事中の食事は日々レトルトカレーで済ませていた私をあわれんでくれたのでしょう。本当にうれしい心遣いではありますが、カレーと炭酸飲料を混ぜて食べるのは非常に困難でした。箸の進まない私を見て、「夏バテか、きいつけなあかんで」とやさしい言葉をかけてくださいまして、本当に頭がさがる思いです。
 

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