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最愛のビッチな妻が死んだ 第39章

Image by Olia Gozha

とにかく具合が悪い。脳が揺れて焦点が定まらない。よだれとめまいが止まらない。歯がカチカチと音を立てている。
今年の目標は「生き抜く」と決めたが、早くも守れそうもない。あと一月持つかな。
2月に入れば、やらなくてはいけないことができる。
髪を金髪にしたり、オレンジに染めてみたり、奇行に走ることでしか、毎日生き抜くことができない。今できる精いっぱいの反抗声明。死化粧だ。誰か僕を殺してくれないか?誰かではなく、相手は1人しかいない。
あげは、僕を殺してくれないか?毎日オーバードォーズ。毎日毎日、致死量のトリプタノール。
死ね。遅かれ早かれ死ぬのなら、早く死んでくれないか。
どうせ、2月14日には捧げてしまうのだろう。僕はその時誰といるのだろう。
1人なら、この1年は相変わらず。誰かと一緒に死ねるのなら、誰かに殺されるのなら、うれしいね。
生き抜くことが難しい。どうせなら、好きな人に殺されたい。風景が点滅して、僕に溶け込んでいく。音が体内に振動を与え、1人ニヤニヤと音の快楽にふける。
毎日、シラフでシャブ中みたいになっている。 世界の終わりに僕は何を考えるのだろう。死の直前に見える景色は、きっと美しいだろう。
今のうちに会いたい人に会っておこう。聴きたい唄を聴いておこう。好きな本や漫画を読んでおこう。もう、二度とできないから。少年と少女、童貞と処女に戻って遊ぶのさ。ただ、それだけだ。すべての終わりは始まりに過ぎない。僕のいない世界が始まるだけ。何の矛盾もない。ありがとう、恋人よ。ゴメンね。 
僕はあなたの幸せを願っているよ。

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Image by Jukka Aalho

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