受験に失敗した引きこもりが、ケンブリッジ大学合格に至った話 パート1
それは「現役東大合格」というもの。何というか、単純に「他の大学を知らなかった」ということも手伝い、単純に「目指すなら一番しかない」という発想から思いついたものです。特に深い理由や、経緯があったわけではありません。
とにもかくにも、しかと目標を定めました。その後はひたすら勉強にのめり込んで、「東大に合格するために生まれてきたんだ」ぐらいな勢いで、没頭し始めました。
しかしある時、急に電池切れしてしまった自分を見出します。勉強が手につかなくなり始め、だんだん心根も腐り出していきます。
僕は突如として、「なぜ勉強しているのか?」が分からなくなってしまったのです。
東大に入ったところで、一流企業に就職したところで、出世して大きな収入と社会的地位を手に入れたところで、それが一体何になるというのか?
僕は有体な世間的価値観に疑問を抱き、自分の人生の意味や将来の生き方について、真剣に悩んでいました。そしてそんな考えが自分の根底にあり、「やる気モード」の自分を根っから崩しにかかっていきました。
結局受験本番までの間、無我夢中に勉強にのめり込む時期と、はたまたやる気が心底尽き果てた時期とを繰り返し、かなり不安定な精神状態で過ごしていきます。
塾にも予備校にも通わず、誰ともまともに会話しなかったので、自分の偏差値を知らないほどでした(一度だけ大手予備校の模試を申し込みましたが、模試当日になって急にやる気がなくなってサボりました)。
それでも僕は当時、「五分五分で行けるな・・・!!」などと勝手に思っていました。
あくまで自分の感覚ですが、今考えれば本当にのんきなものです。
東大入試本番当日、赤門をくぐって構内に入り、安田講堂の脇で試験開始時間を待ちます。いよいよ受験会場に入るための受験生の列に並び、緊張で胸が高鳴って来るのを感じます。
しかしそこで急に、「自分はなぜ、今、ここにいるのだろう?」という問いで、頭が一杯になり始めました。急に目の前が暗くなり、不安で、何も考えることができません。その時国語の試験でしたが、全く活字が文章として頭に入って来ません。
結果、多くの難問がある中で、漢字の問題しかできませんでした。他の科目で挽回しようと試みましたが、結局点数は合格点に至らず、他に受験大学の無かった僕は、あえなく「浪人」という道に進まざるを得なくなります。
3か月だけの浪人生活
僕は高校を卒業して、4月から予備校に通いだします。「東大特進コース」のような場所にいましたが、講義も何もかも全てつまらなく感じられ、勉強をやる気にも全くなれません。
そんなこんなで、5月には早くも予備校をサボりだします。しかしサボったところで当時の僕は、正直言って家に引きこもるぐらいしか選択肢がありませんでした。
確固たる目標を見失い、人生に対する意味も見いだせず、かと言って何をやるにも手がつけられず、本当に苦しい時期を過ごしました。
このまま自分は、堕落するか破滅するしかないのではないか・・・。自分の眼先に暗闇しか見えないような、孤独と絶望に打ちひしがれる毎日を送りました。
著者のKato Yukiさんに人生相談を申込む
著者のKato Yukiさんにメッセージを送る
著者の方だけが読めます