受験に失敗した引きこもりが、ケンブリッジ大学合格に至った話 パート1
この結果に僕は意気揚々として、自信に満ち溢れて教室に入っていきます。
これからケンブリッジ大学を目指すのだから、これくらいできて当然だろうと・・・。
教室に入ると、まず先生から自己紹介をするように言われました。日本で習った表現を駆使しながら、懸命に一つ一つの言葉をつなげ、大事に発音していきます。
自分としても満足できるほど、その時はスラスラと話せたような気がしました。
ところが、その後が問題です。
僕のことを話題にクラス皆が話し合っていますが、みんなが何を言っているのか全く聞き取れません。
特にブラジル出身の男の子から質問を受けましたが、早口で巻き舌なので、一語として聞き取れません。唯一聞き取れたのは、かろうじて"Dragon Ball"という単語だけ・・・。
僕は初日から、ネイティブのイギリス人のみでなく、周りの生徒のレベルの高さを嫌と言うほど痛感させられました。
自分が想像していたものと、あらゆる面で次元が違い過ぎる。
受験勉強で散々やって、得意に思っていた単語やリーディングでさえ、周りに全然ついていけません。
僕の自信は、あっさりと崩壊します。
さらにConversation(会話)のクラスでは、「受講人数が少ないから」という理由で、僕は最上位のAdvance(上級)の人たちと一緒にクラスを受けることになります。
むろん、彼らはネイティブ並みの会話力を持っています。
僕はただでさえ自信を喪失していたところ、いきなりそんなただ中に放り込まれてしまいました。
その日のクラスの内容は、「メディアの○○について、△△を考えて、自分の意見を3分で発表しよう!」というものでした(僕のリスニング力では、先生のお題を理解することすらできません)。
クラスは8人ほどがいましたが、時計回りにクラスの奥の人から順番に発表していきます。
発表が終わるごとに、拍手と活気あふれる質疑応答。しかしながら、僕は全く何もかもについていくことができません。
僕はクラスの一番手前に座っていたので、発表順は一番最後でした。
自分の番が近づくにつれ、緊張で心臓の鼓動が破裂しそうになります。冷汗が止まりません。何も理解できない惨めさと恥ずかしさで、教室から逃げ出したい気持ちで一杯でした。
著者のKato Yukiさんに人生相談を申込む
著者のKato Yukiさんにメッセージを送る
著者の方だけが読めます