長い間の再会

次話: 高校時代1


「こんなところに住んでるんだー」

指定されたところはあの人の住まいの一つ隣の駅。おしゃれな地域とよくマスコミで言われているところだけど、実際に降りたのは初めて。

「やっぱりいいところに住んでるなー」

住んでる隣の駅を指定ってことは、近所で俺と会ってても全く気にならないんだな、という軽い失望もちょっとあったけど。

待ち合わせまであと15分、ここから歩いて10分くらいのところのお店を指定されていて、ちょうどいい時間。お店で待っていると緊張で耐えられないだろうと思ってギリギリの時間になるように調整して駅を降りた。それでもさっきから気持ち悪くてしょうがない。朝から何も食べてないせいかと思って、立ち食いそばを食べてみたが一向によくならない。緊張しすぎると気持ち悪くなるんだ。

人並の人生経験は積んで、1000人の聴衆がいても平気で話せる自信あるが、たった一人と会うのにこんなに緊張している自分に笑える。

スマホを見ながらお店が近づくたびに息が荒くなっているのがわかる。お店の近くまで来ると、店の中じゃなくて路上ですれ違うかもと思うと、周りを見るのも怖くて地面だけ見ながら歩を進める。

お店の前の大きな扉の前まできて、一息。一気に開けて店の中を見回す。
あんまりお客さんはいなくて、窓際に少し太めの人が座ってる。

(あれ、あの人?記憶と違うんだけど・・・・)

「あ、すみません。予約していた〇〇ですけど」

とお店の人に伝えると、奥の席を案内される。
(ああ、やっぱりあの人じゃないんだ)
と思いながら席に案内されると、俺の方が先についてた

(なんだ、着てないのか・・・・先に到着したくはなかったなあ)

と思いながら待つことに。普段はスニーカーにボロボロのシャツで移動しているが、今日は革靴なので疲れちゃった。

ため息をつきながら、目を閉じて
(そっか、あれからもう30年なんだ・・・・そっか・・・・)

そんなことを思っていると、入り口辺りから冷たい風がすぅっと流れてきて
そちらに目を向けると・・・

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