執筆中

前話: 執筆中
次話: 執筆中

せっかく中卒美容師が、博士号を国立医学部で習得したので、お付き合い頂きたい。


なんとか大学に入り、生化学、有機化学、薬学、、、、、と勉強していくうちに、美容に役立てる研究はできないかと?考えて14間年大学に在籍した。

 2007 Natureに画期的な論文が日本の女性研究者により発表された。そこには既知の事実としてハゲてしまう傷跡に、毛が生えるということが書かれていた。

 30年以上美容師として、色々な頭皮を見てきた。医者は異常な皮膚を診察し、治療をしていく故、正常な皮膚、それも頭皮を診ることは稀であろう。そこが美容師としての私の強みである。 常々美容師が観察できる頭皮は正常である。異常があれば来店せず医者に診せるか、治るまで我慢するからであろう。傷跡があるお客様も少なくない。ここが問題である。お気付きの方、特に美容師はいるであろう。傷跡から毛が生えていることが間間見られる。それも黒毛である。ここからが私の疑問である!Natureには、なんと『再生毛は100%白髪である』と断言されていた! では、私の美容師としてお客様の頭皮より観察できた、正常頭皮の傷跡から再発生していた黒髪はなんだ?幻なのか??。  これは論文の話ですが、営業に使えることも勿論発見しました。そのうち書きますが、完全アレルギーフリーの白髪染めです。 生化学、有機化学が解れば、目から鱗!自分が歳をとれば、当然お客様も歳を重ねます。若いお客様にはハイトーンもいいでしょう、そのお客様はいつまでも若くないし、髪も変わっていきます。お客様の髪を守らないと、美容師が触れる髪はなくなります。今日はこのくらいにしておきましょう。

 最近、ケミカルがどうの、シャンプーの専門家だの、美容師も学術的になってきましたが、どのレベルで話しているのでしょうか?ここでは、再生医科学、それも査読論文レベルでお話しさせていただきますので反論、討論大歓迎です。その時は世界的公平を期すため、英文での投稿を希望します。


 忘れもしない35年前の1月7日、高校の三学期始業式の帰り、交通事故に遭いました。

脳挫傷、意識不明、手足の複雑骨折、左アキレス腱断裂・・・。

3日目には、バイタルが下がり、担当医より両親に予後見込みなしの宣告。

よほど行いが悪いのか、階段を上がり、ノックはしてみたものの天国の扉は閉ざされ、下界に戻ってきました。

それからは、再歩行不能、顔面喪失、癲癇、排尿障害、言語障害等の診断。辛いリハビリに長い入院生活。

 

論文の話です。

 Nature 2007の論文によれば、ネズミの皮膚を切った後に再生する毛は100%白髪である。

その理由として、もっとも重要なことは、『ネズミの表皮には、通常色素細胞が存在しない』

では、通常表皮に色素細胞が存在する人間ではどうなのか? 再生毛すら見られない!

もし、このネズミの再生毛のメカニズムが解れば、人間にも応用できるのではないか?しかし、再生毛が白髪では意味がない。この疑問が6年間の長いトンネルの入り口であった。

 まず本当にネズミの傷跡から毛が生えるのか?

動物が好きな私にはとても辛い実験であった。

麻酔をかけるとはいえ、皮膚を切除するのである。

はじめにすることは、偽善と言われるかもしれないが、心の中で『ごめんね』。

今年の大晦日の夜中一人で、実験の為に飼っていた総ての“マウス”のネームホルダーを一枚ずつ火にかけ、慰霊祭をした。大学でも毎年行われるが、自分でしたかった。

 

 待つこと2ヶ月、傷跡は治るも禿げたまま変化なし。
Nature
論文の責任筆者(著名な米国大教授)にメールするも、答えは単純。
曰く、“簡単さ!背中に傷つければ生えてくるよ!”

その通りやったさ、生えてこないから聞いたのさ!!

分かったよ、自分で見つけるよ、最善の実験方をね。

結果的にはこれが新発見のきっかけとなった。

 

 一通りの治療が終わり、ガタガタになった歯と、動かない手、歩けない足とともに退院した。

まずは車椅子、今のように駅にエレベーターはない、大人の男性グループが来るまで待ってお願いした『手を貸してください』。ある時は待ちが長くて失禁した。それでも歩行器、松葉杖と少しずつ進歩していった。が、彼女は去っていった。一見健常者になった今でも、不自由な方を見かけると必ず声をかける、大丈夫ですか?

 

論文の話です。

ただ皮膚を切除するだけでは毛の再生がないと解った。

先行論文には背中の皮膚を1㎠切ると書いてあるが、場所の指定はない。

時期は生まれてから3週目と、7週目。
同室の同級生だが、京大卒の準教授曰く。生き物の実験は精度が大事。時期、切除の面積にこだわってやってみろとの指導を受けた。

最初はおっかなびっくり切っていたので、切り口はガタガタ、場所もバラバラ、時期もなんとなく合わせていた感じだった。

そこでマウスの出生をExcelで管理し、切除の精度にこだわってみた。

本職は美容師である、クーパー(手術用はさみ)の使い勝手はお手の物。

するとどうであろう、2ヶ月後には白髪が再生してきたのである!!!!!

写真は再生した白髪です。

ほんの追試実験に過ぎないが、自分の手で、ハゲることしかない傷口から白髪とはいえ、毛を再生することに成功した時の喜びは今も忘れない。

生意気だが、医学者になった気がした。

 

 なんとか足を引きずり、歩けるようになり、手の動きもぎこちないながら回復した時、復学した。顔はゆがんだまま、歯も抜けたままだった。年下の誰も知らないクラスメート、授業は退屈。ある日の放課後、同年の仲の良かった友人たちとバス停に向かっていた。あと少し、バス停まで10mあるかないかでバスが来た。友人たちは小走りにバス停に向かい搭乗していった。走れない、誰一人手を貸してくれることもなく、彼らの背中とバスを見送り、立ちすくんだ。

此処にはもう、自分の場所はなかった。

 

論文の話です。

前述の通り、再生毛は白髪という最大の理由は、マウス表皮には通常色素細胞が存在しないということである。即ち毛包が再生(毛根ではない、ここが一般の方の勘違い点)するときに色素細胞を取り入れることができない。ということは人で再生すれば表皮の色素細胞を取り入れ、黒い毛が生えるということが示唆される。ではどうしたらマウスの再生毛を発色させることができるのか?(人での実験は許されていない)。マウスの毛のサイクルは人と同じように、成長期、休止期、脱毛期とあり。頭より尾へ向かい帯状に移り変わり、一生続く(人の毛髪の80%は成長期)。しかし、マウスの世話をしている時にあることに気がついた。生まれてから最初の成長期(5週目)は帯状ではなく、全身で成長期が起こるということ、その間、毛包にある色素幹細胞も活性化され、色素細胞は多くの色素を作り毛髪に渡している。見た目は全身真っ黒である。Natureの実験はここでの切除は行っていない!。これだけ色素細胞が活性化されていれば、少しは再生毛の再発色に関与できるのではないかという仮説が成り立つ。それと並行して、教授の世界的名声を得た、遺伝子改変マウスでも仮説の検証をした。そのマウスは人の色々な皮膚の病変モデルとなる初めてのトランスジェニックマウスで、人と同じように表皮に色素細胞を持っている。人のケラチン14遺伝子を制限酵素で切り出し、その後ろにベクターを使ってStem cell factor遺伝子を繋いで、コンピテントセル(大腸菌)で増やし、受精卵にエレクトロポレーションで打ち込み・・・。なんか難しくなってきたので、結果を示します。

写真は、一枚目、成長期に切除した時に再生した黒い毛です。
二枚目、表皮に色素細胞のあるマウスを脱毛期に切除(Natureと同時期)した時に再生した黒い毛です。これではっきりと仮説の証明ができました。

これからの機序証明のことを思うと、嬉しさ半分????
ここまでは、運良く1年目で発見しました。さぁ、前途多難の幕開けです。

 

 

 感謝したい人は多くいるが、特に入院中下の世話までしてくれた友人H、日本アカデミーを受賞した技師である。もう一人、体の不自由なことも厭わず、美容室に雇い入れてくれたK先生。

この二人がいなければ、今の自分はないと言い切ることができるほど感謝している。

大好きなギターを弾けるほど、指は動かない。

心は決まった、なんとか美容師で生きていこう。

高校も卒業できない、誰が信じるであろう、医学部に行きたい・・・。

17歳、世間知らずのまだ子供である。何年か働いたらすぐにでも大学に行けると軽く考えていた。親をはじめ、援助は皆無である。その後、20年の月日を要することも知らずに・・・



医学部に入るまで黙っていたこと、高校を退学した時に決心した。絶対医学部に行く。

足はびっこ(これって方言?)手は曲がったままでもなんとか美容室の下仕事をしていた。

毎日思っていた、ずっと思っていた、絶対辞めてやるこんな仕事!
笑えば見える前歯の欠損、不自由な手足、年齢は高校生。誰からも蔑みか、同情の目を向けられているように感じた。シャンプーだけは大丈夫だった。お客様の顔にはガーゼ、こちらの様子は伺い知れない。足をかばい、不自由な手を一生懸命動かし日々を過ごした。他のStaffも初めは優しかった。心が休まるのは、誰もいない洗濯室。単調な洗濯機の音に意味もなく怯え、明日を想い肩が震えた。

 

岐阜大学医学部 大学院医学系研究科 再生医科学専攻

組織・器官形成分野 

再生医科学博士/Hair and Make-up artist  百合口 稔

To be continue.

続きのストーリーはこちら!

執筆中

著者のMinoru Yuriguchiさんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。