第1話【母の後ろ姿】 普通になりたい〜統合失調症と診断されて〜

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わたしは所謂、「育てやすい子」であったらしい。

新生児の頃はあまりぐずって泣くということもなく、寝てるわたしの近くで掃除機をかけてもスヤスヤと眠っていたらしい。
夜も母の手を煩わすことなく穏やかに入眠し、夜泣きもほとんどしなかったそうだ。



わたしの一番古いはっきりとした記憶は母がわたしに家族の愚痴を言ってる記憶だ。

さして広くもない部屋でわたしは母の後ろ姿を見ている。

両親共働きだったため、祖母が母代わりとなってわたしの面倒をみてくれていた。幼かったわたしは母が日中家にいないことが寂しく、心細かった。夜になると帰ってくるので、その時に今日あったことをたくさん話したくて、母が着替えるのを後ろで待っていた。

でも、母の口から出てきたのは、日中わたしの面倒をみてくれている祖母への愚痴であった。

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