第2話【守りたい】 普通になりたい〜統合失調症と診断されて〜
「お義母さんね...」
から始まり、母の口からスルスルと祖母を否定する言葉が出てくる。
わたしはそれを大真面目に聞き、祖母に対して怒りの感情が芽生えた。
そんなことが日常になり始めたある日。きっと幼稚園の年長か小学1年くらいだったと思う。
ある日、いつものように母の愚痴を聞いたわたしは、祖母にバシッと言ってやらないといけない!と考えた。
3歳頃からずっと母の愚痴を聞いてきて、幼心に母を守りたいと感じていた。祖母に対して、『ママをいじめないで!』という気持ちがずっとあったのだ。
そして、わたしは祖母に、
「なんでママにそんなにきびしいの?ママはばあちゃんに〇〇っていわれたっていってたよ。もっとママにやさしくしてよ!」
という言葉を投げつけた。
わたしは、これで母も祖母に厳しく言われることはなくなるだろう、と安心した。内心、ママを守ったぞ!という誇らしい気持ちもあった。
でも、仕事から帰ってきた母の口から出てきた言葉は無情なものであった。
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