2.専業主婦が、目指してないのに何故かタロット占い師になり、それを受け入れるまでの体験談(アメリカ生活)

前話: 専業主婦が、目指してないのに何故かタロット占い師になり、それを受け入れるまでの体験談(社会人生活スタート)

アメリカ生活で初めて実感する「日本人で良かった!」


会社を辞めて、数か月の準備期間を経て、25歳でアメリカへ。
海外へ行くのは大学の卒業旅行でフランスに行った以来、人生2度目。

アメリカ人の家庭にホームステイさせてもらいました。

ホームステイさせてくれるようなお宅ですから、大きな家で、余っている部屋を貸して貰え、経済的にもゆとりがありそうでしたし、地域の人との交流も盛んで、とても親切な家族でした。

でも、

「ええ!?そんなことで何で!?」

と思うような些細な原因で、いつも家族喧嘩が絶えませんでした。

そこのお父さんお母さん娘さん、全員太っていて、
近所の人たちも、程度の差こそあれ、ほとんどが太っていました。
(アメリカの中でも、特にその辺の地域は太っている人が多いらしい、と後で知りましたが)


それまでの人生で会ったことの無いような大きなお尻の人が、そこらじゅうにいてビックリしました。


コーラを水代わりに飲み、紅茶には白砂糖を4杯入れ、ほとんど外食かインスタントのチーズマカロニなど。
1人1台以上の車を所有していて、歩くのは家の中とショッピングモールの中だけ。
いつも頭が痛いとか膝が痛いなどの不調を訴えていて、
医者にダイエットしろと言われた、と言って、

ランチを食べない代わりにポテトチップを食べていました・・・。

(え?それってダイエット?)


年頃の娘さんは、太っているせいでボーイフレンドが出来ない、と悩んでいて、
自分がこんなに太っているのは両親のせいだ、と言って、いつも(特に母親に)怒ってました。
(でも、ライバルたちも結構みんな太ってる訳なので、問題はそこだけでは無いとは思いますが、とにかくそういうネガティブ思考に陥りがちなお年頃みたいでした)


 日本人の自分から見ると、そこの家庭の人や近所の人たちが太っているのは当然の生活。


 太っていることが原因で体調不良だったりして、頑張ってダイエットしようと努力するものの、あまりに元が不健康な生活な為、ちょっとの努力では全然うまくいかず、イライラして。

本当は優しくて良い人たちなのに、些細なことでいちいちヒートアップして大騒ぎになって・・・。

色々と悪循環になっているのは一目瞭然でした。


でも、生まれた時からそういう食生活で、それしか知らなければ仕方が無いのかな?
という感じで、本人たちが悪い訳じゃないのだと思うと、とても残念でした。


そこで初めて、自分の育った家では、当たり前に母親がご飯を作ってくれていたこと、

その料理が、外国人から見たら、とてもバランスの取れたダイエット食のようなものだったことに気付きました。


しかも、私がちょっと何か作ってお皿に並べただけで、

「盛り付けが美しい!センスがいい!」

みたいなことをベタ誉めしてくれます。

いやいやいや、日本ではこれ普通ですから!

しかも私、日本では料理できない部類の人ですから!

と、こっちが居たたまれなくなるくらい褒められて複雑な気持ちに。


 実は日本で生まれ育ったことは、食生活に関してものすごくラッキーなことなんだ!

20代半ばにしてようやく、日本の食文化の有難さと、
母親が毎日料理を作ってくれていたことへの感謝の気持ちが心底湧いたのでした。


アメリカで初めて疑問に思う、ファッションって何?


アメリカでホームステイさせていただいていたお宅は、日本だったら豪邸と言われるような広い一軒家。

リビングなどはきれいに片付いていますし、もともと広いので、物が多いような印象は受けません。

が、

ガレージ、地下室、クローゼットなどに置いてある物を冷静に見てみると
日本の家庭にある物の何倍!?これで3人分!?と驚く量でした。

特にクローゼットは、あんなに広いのにパンパンぎゅうぎゅうで・・・


逆に、私自身は一時的なホームステイですから、自分の持ち物は本当に少しの着替えだけでした。

渡米前は、洋服屋で働いていたので、人並みより多くの服を持っていたと思います。
当時はY’sやコムデギャルソンが好きで、働いていたお店も基本的に真っ黒な服が多く、左右非対称のようなデザイン物で、ゆったりロング丈のものをよく着ていました。
色ものを着るとしても、基本真っ黒の中に、はっきりした赤を入れたりする感じで。


 今思い返すと、何をそんなに真っ黒に武装してたのか?って感じなんですけど(笑)

それらの服を、渡米前に一通り処分して、アメリカではTシャツとジーパンでほとんど過ごしていました。
他の服を着る用事も無いですし(笑)

その身軽さが、すごくスッキリしていて心地良いことを知りました。


アメリカは移民の国なので、肌の色や髪の色が違う人が当たり前に周りに居て、
人々の服装も、TシャツGパンから民族衣装的なものまで、かなりバラエティに富んでいました。

日本だったら、「その格好は無いでしょう~」と笑われそうな服装も、
アメリカでは最初から皆違って当然なので、違和感がありません。

新宿や渋谷の洋服屋で働きながら、雑誌を毎月チェックして、
今の流行はこんな感じ、とか、あえて外しでこれとこれを合わせてみる、とか
この組み合わせはもう今年は無理、とか、
 

他人と自分のファッションを常にチェックして

「イケてない」とジャッジしたり、


スタイルが良いとか悪いとか、背がちょっと高いとか低いとか、
細かーーーーいことに拘っていたのって、何だったんだろう?

日本人は、基本的にみんな髪が黒くて、肌の色も同じ、という前提がある中で育ち、
特に埼玉&東京しか知らなかったので、そんな狭い世界の中で、
髪を染めたり(赤とか青とかにしてた時も!)、今どこのお店がお洒落だとか、
ファッションの細かい部分で、自分なりに違いをアピールしてみたりしてた訳ですが、

アメリカに来てみたら、みんな生まれた時から髪の色も肌の色も違っていて、
宗教やら生活習慣そのものが違っているのは当然。


ここではTシャツとGパンで何も困らないし、
服のサイズもいくらでもあるし、
小さな日本の中の、小さな東京という街で、あれこれ拘っていたことが、心底バカバカしく思えました。



コミュニケーションって何?



アメリカには10カ月滞在しました。
ペラペラには程遠い、片言英会話でしたが、
だいぶ慣れてコミュニケーションが取れるようになりました。

そうなると、自分の語学力は同じでも、相手によって、


とっても分かりあえる感じの人

と、

何を言ってるのか全然わからない人

とに、はっきり分かれてきました。



その違いを生み出すものは、

「相手に伝えたい。相手のことが知りたい。」

と、お互いに本当に思っているかどうかなのだ、ということを、妙に実感しました。

これは母国語のコミュニケーションでは気付かなかった感覚でした。

それまでは、頭の中で思ったことを、そのまま不自由なく日本語で表現し、
自分の言いたいことは言えて、伝わっていると思っていました。

(相手に遠慮して「言いたいことが言えない」とか、「あえて言わない」ということはありましたが、
それとは別問題で)


なので、たとえ外国語でも、

勉強さえすれば、誰とでもコミュニケーションが取れるようになる

と思っていました。


が、

日本語が通じない世界で、頭の中で思っていることの10分の1も表現できないような生活をしてみると、

本当の意味でのコミュニケーションは、言葉では無いんだ・・・

言葉を使っているようでいて、本当はお互いの
想像力や思いやりのようなエネルギーで交信しているのか・・・。

気が合う、気が合わない、が、ものすごく影響しているんだ!と実感したのです。

そういえば日本語でだって、苦手な人だと、
「この人何言ってんの?意味わかんなーい。」ってなるもんね、と(笑)

同じ言語を使えば、話が通じる訳では無い。
「話すこと」と「伝える、伝わる」ということは別問題なのだ!


また、英語でも何語でも、いくら言葉を勉強したところで、
自分が「伝えたいこと」が何も無ければ意味無いよな・・・とも気づきました。

これを語りたい!伝えたい!と情熱を傾けているものが何も無い自分、に気付き、虚しさも感じました。



そんな中、アメリカで知り合った人とお付き合いもしました。

もともと、渡米のきっかけは、それまでの生活に不満を感じて、
特に恋愛もうまくいかず現実逃避のような感じだったので、
その課題をクリアせず、逃避したまま次の恋愛をしても、かえって心の歪みは増し、傷は大きくなるばかり。

自分も相手も傷つけて、その後何年も自分を責めるようなことになってしまいました。



そうそう、生まれて初めてギックリ腰になったのが、アメリカ滞在中でした。
運動不足や食生活の変化で太ったのと、湯船に浸からなかったからかな、と思いました。

が、数年後に「腰痛は怒りである!」という本を見つけて読んで、「ああ、当時の私は怒っていたかも」
と「腰痛=怒り」説に納得。

言いたいことが言えない怒り
些細なことですぐにケンカする人々への怒り
アメリカ式生活全般に対する怒り

うんうん、私、怒ってたわ。

この後から、年に数回の腰痛に悩まされ始め、
今は軽くなりましたが、それでもたまに痛くなります。

3、に続きます。https://storys.jp/story/16456

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