Santiago de Compostela 巡礼の旅(4)【村から村へ】

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旅の楽しみというか醍醐味は、日常からの脱出である。そこには、日常には無い気づきや学びが満ち溢れている。自分が所属する日常との共通点を見つけるのは楽しい。「どこでも一緒だなあ」とニンマリもする。
相違点との出会いは、また何十倍も面白い。しかもためになる。ためになるとは、その気づきを持ち帰って自分の日常に活用できたり、シェアできるということだ。

ポルトガルの旅から持ち帰って日常に活かせそうな事は沢山在るが、ここでは"子供達の将来"に絞ってシェアをこころみることにする。

折しも、私たちの子がこの4月から先生になる。私の同級生は孫が熱を出したから、などと酒宴をサボるようになった。このライフステージに来ると、気になるのが将来の子まご達を取り巻く環境など、になってくる。子々孫々の幸多かれを願うのだ。共に時間を過ごすであろう、大勢の子供達への祈りである。

一旦話を戻す。ポルトガル巡礼、自転車旅の話にである。先頃、ナザレの近くを走って高速道路に迷い込んでしまった。料金所は無く区別がつきにくかった。が、走りやすかったので出口を二つ通り過ごし25kmくらい走らせていただいた。この間クラクションを鳴らしていった車が四、五台はあった。

おまわりさんは何故かついに現れなかった。ポルトガルではこんなことはなんでもないことなんだろうか。日本でならどうだろう。パトカー五台に取り囲まれ連れていかれ、全国ニュースになるかもしれない。
 このケース、民度の高さとやらはどちらにあるのだろうか。判断は皆さんに委(ゆだ)ねておくとする。

センシンコクでは列挙するまでもなく不祥事と謝罪会見でネットもテレビも大騒ぎだ。もうこんなことを何年もやっている。みんな、しょうもないなと思いながらやっているのだ。

子供達の耳にも否応なしに聞こえているのに、である。
偉い人も有名な人も普通の人もしょうもないことをし、責め合っている。だから子どももまねをする。本当は誇り高き素晴らしい国民なのにもったいないことだ。

たぶん旅や冒険をしないからだと思う。

偉い人も有名な人も普通の人ももっと世界を旅すればいいのになと思う。旅行ではなく旅、である。今一度、その魂をふるわせてみることだ。旅とはCityからCityへ移動することではない。村から村へと移動するその道中の事である。またの名を遍路という。

子供達の将来を良くするにはフィルターのかけられていない情報を自ら知りに行くしか方法が無いのだ。見たほうが信じやすい。

日本では戦場ジャーナリストが責められていると聞く。責める人は氏名職業自己の社会貢献の向きを述べているのだろうか液晶画面をいっとき離れて風に身を置かなければ知り得ないことが多くある。限界を越えて真実を伝えようとする戦場ジャーナリストは高潔な人にほかならない。

足らないところ、間違ったところを助け合い、補い合い、励まし合うような人間関係を作らなくてはならない。まず大人が仲良くして見せなければならない。責めて謝らせるようなことを繰り返していると幸せの国にはなっていかない。

子供達には、もうしわけないが大人たちのやっている悪いところを見て、学び、逆に良い社会を作っていってほしい。

ポルトガル、さすが日本に火縄銃を伝えた国だ。長い歴史の間に様々な経験をしたのだろう。何よりふところが深くて円(まろ)やかだ。

つづく

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