1月19日冷雨
Miraという町で日がくれた。今日も登り坂と向かい風がひどかった。午後から雨脚が一段と強まった。ひとつ手前の村で簡易的な雨ガッパを買って前後ろにそでを通し自転車にまたがる。カッパの背の部分をハンドル周辺に掛けると首下から足元までが雨からまもられる。ペダリングへの負担もほぼない。足が濡れて冷えるのは避けなければならない。
ポルトガルに来て感心することのひとつは、この真冬でもキャンプ場が開いていることだ。利用客はほぼいない。この暗闇の先にキャンプ場があるというが、なかなか信じられない。しかし、ちゃんと開いている。ポルトガル人の情報は精度がほぼ100%だ。大航海時代のナビ能力と精神が受け継がれているのかも知れない。
受付のマルタは、ずぶ濡れの私に必要な全てを手早く準備してくれた。キャンピングカーにヒーターを入れてシャワーを案内してくれる。
マルタは、ここに10年勤めている。「小柄だから若く見えるのよ」「明るくなって近くでみたら年相応よ・・」「夫は、浜の養殖場で働いてる」「結婚して14年、子供は居ないけど猫と暮らしてる」「Eu tenho quarenta e tres anos」エウ テーニョ クアレンタ エ トレス アーノスと発音する。私は43歳という意味だ。「日本人のお客さんははじめてね。記念日だわ」と明るい。冷雨の走行の果て1日の終わりに笑顔のご褒美が待っていたかんじだ。
マルタは親の経営するカフェも時々手伝う。素人だがFadoを歌う。Fadoとは、ポルトガルのミュージックでギターの音色で思いの深い旋律が多い。 「漁に出た夫を偲ぶ歌や嫉妬の歌が多いのよ」
ファドをかけながら英語に訳してくれる。濃厚な場面を訳すときは少してらう。100年以上前からの同じメロディーが沢山あって歌詞だけが更新されていくものもあるらしい。
マルタお勧めのFadoを20曲ほどダウンロードする。以下4名のファド歌手である。
Carminho
Gisela Joao
Helder Moutinho
Ana Moura
1月20日
雨更に激しく連泊。
目的地のサンティアゴ・デ・コンポステーラまでまだ半分も来ていない。あと350kmはある。