第18話 パパが女(アリッサ)になったとき LA発LGBTトランスジェンダー家族日記

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第18話 FB憤激事件 前半


このアイメークはピーコック(くじゃく)をイメージしてるんだって。
 
 

今回はわたしを怒り狂わせた「FB憤激事件」。(長くなるので前半、後半にわけて書きますね)

 

 

この憤激事件を書くにあたり、どこから書き始めてよいかとても迷ったのですが、

まず、わたしたちが住んできた街について触れておきたいと思います。

 

 

オハイオ州の大学を卒業後、オハイオにアリッサを置き去りしにして、わたしはロサンゼルスに移住。ロサンゼルスのダウンタウンにある日系企業で就職しました。

 

当時は家賃が安くて通勤が便利という理由で、コリアタウンに位置し、韓国人女性が営む寮みたいなところで生活していました 。

 

 

家具付き、夕食付き、家賃月300ドルの激安ハウス。眠らない街コリアタウン。 宵越しの銭は持たず、激しく遊ぶ韓国人。コリアタウンは楽しい思い出がいっぱい。

 

今でもコリアタウンに行くと、若かりし頃の思い出が溢れ、血が騒ぎ、暴れたくなります。といっても45歳になった今では、焼き肉食べたり、コリアンスイーツ食べたり、暴食するだけなのですが。

 

 

その後、遠距離恋愛していたアリッサのLA転勤が決まり、ふたりでウエストハリウッドに移り住みます。 ゴージャスな名前に惹かれたから。憧れのメルローズ・アベニューに近かったから。単純な理由で住処を決めました。若かったから何も怖くなかったのね。ウエストハリウッドがゲイの街だなんてちっとも知らなかった。

 

 

あの頃、アリッサは近所のジムでも、通りを歩いているときも、店で買い物してるときもゲイの男の子たちに追いかけられて、かなり苦労したようですが。

 

青春と自由を謳歌していた若いふたりにぴったりのヒップでホップな街でした。

 

 

その後わたしは、トーランスにある会社に転職。偶然、同時期にアリッサも本社からトーランス支社に移動が決まり、通勤に便利だという理由でトーランスに引っ越しします

 

 

前にも触れましたが、トーランスは市の人口の日本人または日系人の占める割合が10%を超えると言われる、ジャパンタウンです。

 

日系企業が集中しており、和食レストラン、日系食料品店、日本語補修校、塾にヘアサロンに文化センターとなんでも揃っていて、日本人が安心して生活できるとても快適な街です。

 

治安もよく、育児をするには最適なファミリータウン、トーランス。

 

しかし、わたしにはちと息苦しかった。トーランスの日系社会は狭く、日本人同士が密に繋がっていて、噂は一気に広まるから悪いこと、間違ったことはできません。

 

 

子供が生まれる前はましだった。それほど窮屈さを感じなかった。仕事が充実してたし、独身の女友達とつるんでいたので。

 

 

長女が生まれたとき、わたしたちは「育児はトーランスで」と決めました。なぜなら、日本語環境の整った街で育児して、子供たちに日本語をしっかり身に付けてほしかったから。日本語の幼稚園に通わせたかったから。現地校に通っても補修校で日本語学習を続けてほしかったから。

 

でもね、子供ができて、ママ友とのお付き合いがはじまってから気付いてしまったのです。

 

わたしは日本人ママとの関係にどうしても馴染めないこと。がんばって馴染もうとしてもなぜかはみ出してしまうこと。

 

無理して日本語幼稚園のママ友ランチ会に参加したりするとどっと疲れてしまうこと。

 

「自分の子供の自慢をすると嫌われるからやめなさい」と親切な友人に忠告を受けても、どうしてダメなのかわからず、ついつい自慢してやっぱり嫌われること。

 

 

選択はいくらでもあったはず。他の街に引っ越しするもよし。日本人ママとの関係をすっぱり断って、孤高の人になるもよし。でも、娘たちは日本語幼稚園に馴染んでいたし、娘たちが仲良くしているのはみな日本人の子供たちだったので、そいういうわけにもいかなかった。

 

 

そしてわたしは解決策を見い出したんです。「出る杭になってはいけいない」「なるべく目立たぬようひっそりやり過ごそう」と。

 

 

間違いを繰り返し、失敗からたくさんのことを学び、わたしは日本人ママと上手に付き合う術を身につけたのです。「付かず離れず、広く浅く」。「よくよく考えてから言葉を発する」。

 

 

それなのに、それなのに、あの人は、ものの見事にぶち壊したんです。

 

Face book というソーシャルメディアを通して、あの人はわたしが時間をかけて築き上げてきたものをぶち壊した。

 

トランスジェンダーであることはもういいんです。しょうがない。あの人が自分の気持ちに正直になっただけ。わたしにとっては苦しくつらい出来事だったけど、いづれなんとかして受け入れようと思ってました。

 

しかし、しかし、クレジットカード借金返済事件、カミングアウト事件に引き続き、あの人はとんでもない大間違いを犯した。わたしに黙ってひどいことした。

 

続きは次回。あの憤激事件を思い出すと怒りで鼻血がでそう。今となっては笑い話だんだけどね。

 
 

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