第24話 パパが女(アリッサ)になったとき LA発LGBTトランスジェンダー家族日記
「人の不幸は蜜の味」
「人の不幸で飯がうまい」
昔、意地悪ばあさんたちがそう言いました。
わたしもその意地悪ばあさんの1人。だって「わたしはあの人に比べて幸せ」って思いたいもの。優越感に浸るのは気持ちいいもの。不幸な人のうわさ話に花を咲かせるの、めっちゃ楽しいし。
さてさて、今回は周囲の反応、ママ友&友人編
まわりのママさん、わたしの友人はどんな反応をしたのでしょうか?
FBでパートナーが「わたしは女(アリッサ)になりました」宣言をしたとき 。わたしは考えました。
「夏休があける9月にはきっと噂はトーランス中のママに知れ渡っているはず。どうしよう?」
そしてわたしは決めました。しらを切り通すことに。聞かれるまで何も言わない。何もなかったように普通にやり過ごす。
話の展開がアリッサのほうに向かったら、話題を変える、もしくはその場を去る。
ママ友が輪になって和んでいても、絶対なかにははいらない。
苦肉の策。なんだか無理矢理。でもそれしか考えつかなかった。
だけど、しかし、でも。
9月になり新学期がはじまっても何も変わらなかった。学校行事にアリッサが中途半端で微妙な格好で現れても、誰も何も言わなかった。
わたしは疑心暗鬼になっていただけなのかもしれない。
「人の不幸は密の味」、「みながわたしたち家族の不幸を楽しんでいる」と、 勝手に思い込んでいたのかもしれない 。
けど、実はみんな優しくて、温かくて、わたしたち家族のことをそっとしておいてくれた。多分、どうなぐさめてよいかわからなかったのですね。わたしが気にするほど、人はわたしたちのこと気にしてなかったのかな。
今は声を大にしてママ友のみなさんに言いたい。
「そっとしておいてくれて、ありがとうございます」
あの時、わたしは慰めの言葉なんか欲しくなかった。
優しい言葉をかけられたら絶対号泣してた。「家なき子」の安達祐実にみたいに「同情するなら金くれ」って叫んでた。
泣くのは同情されるのがくやしいから。わたしは何も悪いこと、間違ったことしてないのに、「かわいそうな愛さん」って思われるのが死ぬほどくやしかった。
だからわたしが口を開くまで、そっとしておいてくれて本当にありがとう。ママ友ってわるくないね。
今日はここまで。次回は友人の反応。
昔からわたし友人ってほとんどいません。いなくても平気だった、エイタス(今のアリッサ)がいたから。
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