面識のない20人くらいの飲み代を払った話【2】
ちなみに僕、クレジットカード持ってないんです。当時も現在も。
最終的に何人くるかわからない今回の飲み会。一応会場は池袋のとある飲み屋の広めのスペースを確保しました。しかし、予算感は全然想像できなかったので、銀行から15万円をおろして財布に入れておきました。財布に15万円も入れた経験は初めてかもしれない。その日は挙動不審だったかもしれません。
夜、スタート予定時間よりも少し早く会場入りし、参加者を待った。知らない人ばかりだと寂しいので、何人か知り合いも呼んでみた。誰を呼んだか記憶が曖昧になってきてるけど、新田さん(現ベーシック執行役員)と当時東京にいた又座さん(現ロックオン専務)を呼んだ事は覚えている。定刻に近づくにつれて参加者がわなわなと集まってきた。会場はあっという間に人であふれた。
もう大変で、一体最初に「僕に会いたい」と言ってた人がどの方なのかわからないくらい人が多くて、とりあえずどんどん名刺交換をしていった。正直顔と名前を認識する時間は無かった。
人はどんどん増えていき、やがて取材の人もやってきて、何枚か写真を撮られたり、インタビューされたりした。参加者もインタビューに答えたりしてた。途中で帰る人、途中からやってくる人などなど、タイトルでは「20人くらいの」と書いたけど、よく考えてみたらそんなもんじゃないな。30人以上は延べ人数でいたと思う。
そうなってくると心配なのが会計。一人3,500円として30人で10万超える。お店がどういうカウントしてるかわからないけど、もし15万超えたらどうしよう・・・残ってる人から一人1,000円くらい貰おうかな、かっこわるいけど・・・なんて思いながらチェックしてもらった。
店員さんから値段の書かれた紙が渡された。恐る恐る見てみると「9万数千円」という文字が。良かった、思ったより少なかった。普通に考えれば、よく知らない初めて会う人の飲食代約10万円分を払うって意味わかんないけど、その時はいろいろおかしくなっていたので、安堵の気持ちしかなかった。支払いを済ませ、怒濤の数時間を過ごした店を後にしました。
後日会社に送られてきた某ベンチャー系雑誌には「池袋に集うサムライ会」などのタイトルで当日の様子が書かれていました。まるで僕が池袋ベンチャームーブメントの中心のような感じで・・・(笑)
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あれから5年が経った。その会で新たに知りあった人とは現在ほとんど親交がない。当時交流会などで知り合い、名刺交換した人とはその後あまり連絡を取り合っていない。中には貴重な出会いをはたしたものもあるのだけど、やっぱり一気に多くの人と会って、交流をするのはいろいろ難しい。「これはあまり意味がないなぁ」って気づいて、その後、数年は引きこもっていました。最近は「外の世界も見ないといけないなぁ」と思って、お誘いを受けた食事会などにちょぼちょぼ参加するようにしています。もろもろ確度が高い。
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