第44話 パパが女(アリッサ)になったとき LA発LGBTトランスジェンダー家族日記

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第44話 アリッサに直撃インタビューシリーズ4

「はじめて女性用トイレを使った感想は?」



男女共用トイレのサイン



スタバのはこれでした



「はじめて女性用トイレを使った感想は?」

 

初めての女子トイレはカミングアウト前のこと。トランスジェンダー専門のセラピストにカウンセリングを受けているときにセラピストのケーシーにすすめられて、彼女のオフィスの女性用のトイレを使用しました。1人用のトイレだったので、特に緊張はしませんでした。いまでも思うことですが、女性用トイレは男性用よりきれいだし、よい匂いがして使い心地がよいですね。

 

女性は用をたすとき、 音を立てない。男性は大きな音を立てて用を足します。わたしは性別適合手術を受けていないため、男性器がまだあります。だからどうしても小のとき音がでてしまう。音をなるべく小さくしたいので、用を足す前に便器の中にトイレットペ−パーを沈めるようにしています。わたしが生み出した防音対策。

 

トイレよりも緊張したのがヨガスタジオでのロッカールーム。ヨガ専門の大規模なスタジオに通っています。カミングアウト前はカラフルなヨガウエアを着ていたけど、外観は中途半端でした。男性用のロッカールームで着替えていると、男性のメンバーから何度もぎょっとされました。カミングアウトの直後にスタジオのマネージャーに事情を説明すると「あなたが好きなロッカールームを選んだらいいわよ」と言ってくれました。

 

女性用のロッカールームを使用するのはとても緊張しました。みんな堂々と服を脱ぐでしょ。ホルモン治療で、胸は膨らんだけど、わたしの胸はとても小さいし、男性性器もある。でも、そのうち、女性でも胸がとても小さい人がいることがわかり、露出しないで、上手に着替える方法も身に付けました。

 

トレイに関してもロッカールームに関しても、今まで一度も他人から文句を言われたことはありません。

 

 

 

トイレ法 、”Bathroom Bill”って聞いたことがありますか?「トランスジェンダーの人たちが自分の心の性に応じてトイレを使用する」権利を定めた法律のことです。

 

州によって法律が異なります。カリフォルニア州では2017年の3月1日から、「1人しか入れないトイレはジェンダーニュートラルとして(性別を排除して)提供しなければならない」という新たな法律が施行されました。

 

トイレのサインに関する決まりもあって、サインもジェンダーニュートラルにしないといけません。”Unisex”、 “Gender Neutral”、 “All Gender Bathroom”とかね。

 

カリフォルニアに住むわたしはとても幸運です。なぜなら、全米には「出生証明に記載された性のトイレを使用しなければならない」とトイレ法で定められている州も たくさんあるから。

 

「女性であることを主張し、男性が女性のトイレに自由に入ることができるようになると、レイプなどの性犯罪が増える」というのがトランスジェンダーの人たちのトイレ使用の権利を 否定する人たちの言い分。

 

トランスジェンダーの人たちのなかには自分の心の性とは異なるトイレを使用しなければいけないことに、恥じらいや怒りを感じ、公共のトイレを使用することを拒否または我慢する人がたくさんいます。また、トランジションの途中で、外観が男か女かまだ中途半端な状態で、心の性に応じたトイレにはいり、閉め出しをくらったり、暴力を振るわれるというケースも少なくないと聞きます。

 

 

 

日本のみなさんには「アメリカは自由の国」というイメージがあると思います。「アメリカはLGBTの人たちが住みやすい国」と思っている人も多いかもしれません。

 

でも実はそうではない。アメリカは「宗教の自由」が憲法で保証されています。保守的なキリスト教信者のなかには宗教的な信念によって、同性愛や、同性婚、そしてトランスジェンダーを受け入れない人がたくさんいる。トイレ法でトランスジェンダーの人たちがトイレ使用の権利を認められないのは、アメリカが宗教国家であり、差別国家であることを示唆しているとわたしは思います。

 

 

アリッサはトイレで音を立てないように、そんな努力をしてたんだ。娘たちにその話をしたら、すでに知ってました。わたしは知らなかった。

 

 

 


映画 "Hidden Figures"

 

NASAで行われた有人宇宙飛行計画を裏で支えた黒人女性計算士の活躍を描いた映画、Hidden Figures(邦題:ドリームス)。映画のなかで、キャサリンは配属されたオフィスに白人専用のトイレしかなかったため、1キロ離れた場所にある黒人用のトレイまで毎回往復しなければならなかった。映画の舞台は1961年。

全米でトランスジェンダーの人たちが差別なく、トレイを使用できるようになるばで、後何年かかるのかな。

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