暗黒時代 7

前話: 暗黒時代 6
次話: 暗黒時代 8
ボールだけでは飽き足りなくなったカズンズは、今度は靴が欲しいと言ってきた。 

過去に俺達は、ボール盗りのために近隣の学校を何校か回ったのだが、その時に立ち寄ったS中学の職員用の靴箱に、ブランド物の外履きがあったのだと言う。 

その靴箱は、校舎の壁際にあり、外に出してあるので容易に入手出来るとカズンズは言った。 


既に俺達は、何回も学校を回っては窃◯を働いていたので、カズンズもすっかり気がデカくなっていたのだろう。 

しかし、小学生時代、一度スーパーの大型店舗で◯引きがバレて捕まった経験のある俺としては、 

(窃◯をナメてもらっちゃ困るぜ!) 


という、アホなプライドがあった。 


とは言え、その程度の仕事なら恐らくは大丈夫だろうと言う事で、俺達3人は数日後、早朝のS中学に忍び込み、まんまとアディダスの靴を◯み出した。 


更に俺達はその数日後、の◯み幼稚園、H中学、J中学、A高校とハシゴし、アシックス、プーマと言ったブランド物の靴を失敬した。 

そして俺達のサイズに合わない靴は、他のヤツらにくれてやった。 



そのうち、物欲は際限が無くなってきた。 

今度は、窃◯品の靴ではなく、新品の売り物が欲しいとカズンズが言ってきた。 

正直俺は承服しかねた。 

言っちゃ悪いが、コイツらの仕事は、俺から言わせれば杜撰。 

雑だった。 

もう少しキメの細かい部分がないと、とてもじゃないが売り物には手は出せないと思った。 

売り物に手をつける事に関しては、俺は誘いに乗らなかった。 


不満げな表情を浮かべつつも、カズンズとゴキジは2人で近くのディスカウントストアに行くと言い残し、その場を去っていった。 




翌日、カズンズの足元には、新品のアディダスの靴があった。 

訊けば、「曲げた」のではなく、値札を貼り替えて安価で買ったのだと言う。 

確か、八千円以上する靴が、半値で買えたのだと言う。 



そのディスカウントストアで過去に俺は、ローリングスの野球のグローブを「曲げた」事がある。 


まず最初に、ガムでもお菓子でも何でもいいから、一品買うのだ。 

するとレジのおばさんが茶色い油紙のような袋に品物を入れてくれる。 

こうして一旦買い物を済ませ、袋を持ち歩いていると意外に怪しまれない。 

そのうち、野球のグローブが山積みになってるコーナーに行き、紙袋をグローブにアプローチさせ、タイミングを見計らって品物を袋に投げ入れるのだ。 


あとは袋の口元を閉じて、悠然と店を出て行く。 

買い物をした証拠である紙袋を手に歩く俺を、怪しむ者は一人も居なかった。 



俺は、カズンズの手柄顔に嫉妬した。 






(俺なら、もっと安い値段で入手してやるぜ!) 

続きのストーリーはこちら!

暗黒時代 8

著者のキブロワイトさんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。