アホの力 2-7.アホ、国民になる

前話: 2-6.アホ、バタバタする
次話: アホの力 2-8.アホ、たまげる

準備にかける事が出来た期間は、正味二週間。こうした事を行う為の準備期間としては、余りにも短時間だ。企画が動き始めた当初は、心のどこかで正直『ホントに出来るのか』と思っていた。だけどそんな猜疑心は、色々な事が物凄いスピードで決まっいくうちに、『こりゃ出来るぞ!しかも凄いモノが!』という確信に変わっていった。しかも強烈なワクワクを伴いながら。


とはいえ、ホントに子供達は来るんだろうか?分からなかった。

そもそもこの街に、その時どんだけの子供がいるんだろうか?数字として理解はしていたけど、実感してはいなかった。

でも、人数はともかく、この街の子供がピンチだった事は間違いない。来場する子供が少なかったとしても、来た子が思いっきり遊んでくれたら、それで良い。だから、来場見込み数などは設定しなかった。だって、来場見込み予想なんて出来ないし。なのでとにかく『何人来ても大丈夫なようにはしておこう』という心づもりで準備は進めた。


そして…あっという間に開催日。

バタバタではあったけど、気持ちのある市民が一所懸命つくった。とても素敵な場が準備出来たと思う。この時点で、既にいい気分になっていた。


そうして出来た場の名は


『みんな共和国』


誰か特定の人が仕切るのではなく、その場にいるみんなが作っていく場だ。


つまり…私は共和国の国民になったわけ。



会場づくりも、かなり工夫を凝らした。何つっても、全館丸ごと借り切って使える訳だ。どの部屋もどのスペースも、思うがままに使える。出来る事はとにかく盛り込んだ。こんな感じだ。

・『ネバーランド』…大会議室(小さめの体育館ほどの大きさ)を使った、子供が自由に遊べる場。

・『フェアリーキャッスル』…乳幼児や未就学児が遊べる、ボールプールなど室内用遊具を設置した場。


・『カフェ ウェンディ』…子供を連れてきたママがくつろげる場。赤ちゃんを寝かせる事も出来た。


・『茶所 じぃばぁ』…孫を遊ばせている最中のじいちゃんばあちゃんが、茶飲み話をする場。


・『じゅうだい国会』…『十代』の子達が『重大』な事を話し合う場。


・『おとな大学』…おとなも一緒に遊んでしまおうと、色々な講座を開催して楽しむ場。


 


子供の遊び場であり、子育て中の親御さんの交流の場であり、じいちゃんばあちゃんのサロンであり、街の内外の人が活動出来る場であり、十代の子達の学びの場である。


 


楽しいよこれは!


 


そしていよいよ『みんな共和国』スタート。


 


初日は所用があり、少し遅れて会場に入りした私。


会場に向かう道すがら、『まぁ初日だし、そんなにたくさんの参加者はいねえだろうな』などと考えていた。前日まで開催準備で忙しかったので『今日はちょっとのんびり過ごすかな』などと考えながら車を走らせていたのだが、そんなサボり心は粉々に打ち砕かれる事となる。

著者の戸田 光司さんに人生相談を申込む

続きのストーリーはこちら!

アホの力 2-8.アホ、たまげる

著者の戸田 光司さんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。