アホの力 3‐10.アホ、また自画自賛する

前話: アホの力 3‐9.アホ、安心する
次話: アホの力 3‐11.アホ、思う
『みんな共和国 手のひらを太陽に!大作戦!!』の初日が終わった。
初の外遊び、とりあえずホッと一安心だ。
開催されるまでは正直『ホントにやれんのか?』と半信半疑だった。その疑いは、放射能への不安からだけでは無い。それ以前に俺、準備作業で激烈に忙しく働いていたので『準備に手落ちはねえかなぁ』という事が気がかりだったし。
でも、無事スタートした。初日を終え、西に傾いた日を見て、感慨に浸りながら家路についた。
『俺、相当頑張ったんじゃね?俺、凄い事やったんじゃね?』
まだ初日が終わったばかりなのに、こんな有様だ。こんな自画自賛な自己肯定も、アホならではと言えるかも知れない。この日はこのまま、自画自賛な自己肯定に浸る事にした。
日頃怒られてばっかなんだから、まぁこのくらいはチョーシこいても良いだろう。自分の事をたっぷり認めてあげよう。こんな気分だった。
 
その日から、高見公園に丸一日い続ける日が始まった。朝9時前に公園に行き、テントを立て、公園のゴミを拾い、プールを組み立て、子供達が来るのを待った。遊びに来る子供はどんどん増えていく。そして、それを見守る大人もどんどん増えていった。それは『みんな共和国』の活動を日頃から手伝ってくれる地元の人だったり、県外からやってくるボランティアだったり、フィールドワークにやってくる大学生だったり。毎日ワイワイガヤガヤとものすごい盛り上がりだ。
中には、ボランティアでやって来て一芸を披露してくれる人もいた。紙芝居師、『プレイリーダー』という遊びのプロ等々。地元の高校生が『サイエンス教室』を開いてくれたりもした。
高見公園は道の駅に隣接した公園なのだが、その道の駅でお祭りを開催した時などは、地元行政区の区長さん達がやって来て、一緒に遊んで行ったりもしてくれた。
毎日とても賑やかだった。
 
おやつにと差し入れてくれたスイカを子供達と食べ、吐き出した種が公園の地面に芽を出し始めた。それを見て『来年はここでスイカが出来っかなぁ』なんて事を話しながら、子供達ともワチャワチャ楽しんだ。
 
みんな共和国では、櫓を作る伝統があった。提供してもらった木材や、竹やぶから切り出して来た竹を使って、大きな櫓が出来た。大人も子供もみんなで作った櫓である。ジャンプ台や縄ばしごがついた大きな櫓。この櫓が、この屋外遊び場の象徴になった。
 
この遊び場は、原発事故に見舞われた南相馬に現れた『楽園』だった。
 
夕方まで『みんな共和国』を開いた後は、みみセンに行って様々な作業を行う。家に帰るのは深夜。そんな日々だったが、物凄く楽しかった…。

続きのストーリーはこちら!

アホの力 3‐11.アホ、思う

著者の戸田 光司さんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。