アホの力 4-10.アホ、転院する

前話: アホの力 4-9.アホ、リハビリを楽しむ
次話: アホの力 4-11.アホ、疼き出す
前向きも後ろ向きもなく、ありのまま自分と向き合うという事を見出して以来、リハビリが楽しく思えるようになってきた。
しかしながら、身体の機能の回復はまだ遠い。入院してひと月ほどは、トイレに行くのもリハビリ室に行くのも車椅子に乗って移動していた。
始めに入院した病院は大学病院だった。通常、脳梗塞や脳出血といった脳卒中を発症した場合、始めのうちは再梗塞や再出血が起こりやすいので、それを防ぐ治療と、生命をつなぎ止める為の治療(いわゆる「急性期治療」)を行う。急性期治療は2週間ほどで終わるので、その後はリハビリ病院に移って、本格的にリハビリに取り組む事になる。
私の場合、急性期の病院にはひと月入院した。余談だが、ここは大学病院なので、看護師を始めとするコメディカルスタッフも付属の学校を卒業して働き始めた若い職員が多く、若くて可愛い看護師に面倒を見てもらうのは楽しかった。だがそれはそれとして、救急車で運ばれてひと月後、リハビリ病院へ転院となった。
この時点で、数メートルの杖歩行が認められていたが、まだ長い距離の歩行は認められず、車椅子に乗っての転院であった。

転院した先は地域の総合病院で、リハビリに力を入れているところだった。スタッフにはベテランが多く、若い看護師とチャラチャラ過ごす楽しみは無くなったものの、リハビリに専念出来る環境は整っていた。
さぁ、気分も新たにリハビリ開始だ。

結果的にこの病院には4ヶ月近く入院するのだが、この転院からしばらくすると、アホ特有の『思い込み』『勘違い』を少しずつ発揮するようになる。

さて…どう入院を楽しもうか。

著者の戸田 光司さんに人生相談を申込む

続きのストーリーはこちら!

アホの力 4-11.アホ、疼き出す

著者の戸田 光司さんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。