節電率90%の世界へようこそ 1.3.1.1 水道哲学から少品種少ロット生産の水栓哲学へ(1)

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 使える商品を次の新しい商品を販売するために意識的に廃棄処分することは過去に多くの商品で行われてきました。人間の思い上がりと利己主義が端的に表れた現象です。

商品には命があります。故障して作動しなくなり購入者の期待する仕事ができなくなったらその命の終わり、寿命です。

しかし、車の例は言うに及ばず、昔から携帯電話でも販売のためには商品寿命を人為的に縮めても平気な商売が成り立っていました。ハイテクの結晶のような携帯電話が数年もせずに廃棄処分、ゴミ処分されることは開発エネルギー、資源、生産販売努力などを否定しているように私は感じます。

自動車は開発途上国では簡単には入手できない商品です。彼らは故障しても徹底的に分解修理して使用しますし、最終的に処分するにしても部品を抜き取ります。

私は小さな事務所でファクシミリを使用していますが、この商品は20年近く使用していました。部分的に不具合のところはありましたが、自分で手入れをしたり、あるいは不具合を承知の上でまだまだ使用しました。

これは、商品の命を全うさせてやりたいという私の技術屋魂なのかもしれませんし、少々異常かもしれません。しかし、多くの商品は手入れと我慢によりその寿命を伸ばすことができます。

携帯電話では以下のようなことを経験しました。1年ほどで一度使用しなくなった携帯電話にもう一度、番号を登録して使用するつもりで電話販売店をたずねましたところ、店員さんが言うには、番号を入れるのは3000円ですが、新規の電話でしたら1000円です、と言うのです。

私は商品寿命という上述のような考えを持っていますので、新規の電話は購入しませんでしたが、皆さんが同じ状況に遭遇しましたらどのようにしますか?

競って大量生産した商品は在庫となるとビジネス上は大きなマイナスになりかねません。そこで、上述のような販売もあり得るのかもしれませんが、情報技術の進歩した今日ですから生産量の適正化を計り、ゴミにならないような生産方式をとらなければなりません。そうすれば商品は適正価格で販売され、商品の価値が金銭的にも認められればその商品は自然と大切に長期に使用されるようになります。リスキーな大量生産、薄利多売という“水の出し方”を再考し、必要なら生産も控えるといった“水を止める”水栓哲学も視野に入れた生産販売方法をお願いしたいと思います。水栓哲学とは余分な物やサービスは売らない、買わない、作らないという歯止めの考え、倫理を企業、個人が持ち合うことです。


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