【My Story】第六話 転職してからの1年「自分を失い続け、訪れた結末」

次話: 【My Story】第七話 無職の半年間「自分には何もない」

今日は、新卒で働いたリフォーム会社を退職し、

同業他社に転職してからの1年2ヶ月について書いていく。


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圧倒的な営業成績を上げ続け、人の期待に応え続けた結果、

僕の心と身体は、閉じてしまっていた。


感動を忘れ、喜びがなにかすら、わからなくなっていた。



映画を見ても心は動かず、

生きた人形のようだった。


ブラック起業で自ら奴隷のように働き続けた結果がこれだ。


「何のために、俺は頑張っているのだろう・・」



そう思った。




当時、公務員を目指していた彼女をサポートするため、

相当無理もしていた。


自分の給料だけでは足りず、生まれて初めてキャッシングもした。

2年間であっという間に100万円を超えた。



それでも、大丈夫だと思っていた。



とにかく「今を乗り越えさえすれば」

なんとかなると思っていた。



でも、それは真実ではなくて、

頑張れば頑張るほど、ボロ雑巾のようになっていった。




転職をしてなにか変わったか?

一社目のリフォーム会社で新人賞を獲得した僕であったが、
労働環境や、将来の見通しに希望が持てず、同業他社に転職した。


一社目に比べれば、労働環境も改善されたし、
何より人間関係も良くなったように思えた。


しかし、根本の部分で、「自分はどう生きたいのか」が定まっておらず、
仕事に流される日々であった。


前職の知識や経験を生かして、仕事はすぐに覚えていったし、
大きな規模の仕事もまかせてもらえるようになった。


当時20代の社員は、僕と、年下のSさんの2人だけだった。
あとは、建築士やインテリアコーディネーターなど
専門資格を持ち、長年の経験があるベテラン社員の方ばかり。


総勢20名ほどの会社だったが、
今思えばいい会社だったと思う。


問題を抱えていたのは、僕の方だった。



いくら売上をあげても、心は満たされず、
給料をもらっても、満足することはない。


「もっと、もっと」と常に欠乏感や無力感を感じていた。




そんな折、とある事件がおこる。



人間関係の断絶と、ドロップアウト


転職からちょうど1年程経つ頃、
リピートのお客様から大きな仕事を受注した。

閑静な住宅街の一戸建てリフォームの仕事。


きっかけはトイレの交換工事をしたことで、
その後、賃貸に出している物件を耐震工事も含めて
リフォームしたい。との要望だった。


当時、まだ業界に入って3年の僕は
耐震工事には知識も経験もなかった。


そこで、ベテラン社員の方と共同で仕事をすることになるのだが、
ここで問題が起きた。


仕事上の利益の配分や、
実際の作業についての不満が噴出し、
僕の方から人間関係を壊してしまった。



当時、僕は年上の人(特に男性)に強烈な
劣等感や、嫌悪感を抱いていた。


当時は気づいていなかったが、
幼少期の男性へのトラウマが無意識レベルであった。


また、父親に対しても純粋な尊敬の気持ちを持ってはいなかった。



そんな自分でも気づかない、憎悪の塊のような感情が
噴出し、人間関係を断絶。


「もうここにはいられない」


そう、思い込み、退職を決意した。



また、新卒〜3年半の間に、祖父と祖母が他界した。



すべてが無意味なものに思え、人生をリセットしたくなった。


2015年、秋



僕の会社員生活は幕を閉じた。




つづく。


Written by Naoya Ichida



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【My Story】第七話 無職の半年間「自分には何もない」

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