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節電率90%の世界へようこそ 1.3.1.3 水道哲学から少品種少ロット生産の水栓哲学へ(3)

Image by Olia Gozha

事業再構築(リストラ)と称して従業員の首を切り、下請け会社に値下げを強要して自社だけが黒字を出している多くの日本の会社もこの類であり、尊敬には値しません。会社役員が雇用を守れない、下請け会社に適正利潤を与えられないのであればその会社の社会的使命は終了しているのだから、会社経営を他に譲るか、利益が出る会社にできるように細分化して出直すべきで、大きな会社がいつまでも大きい会社である必要はどこにもありません。選手交代してほしいと思います。

 また、従業員も会社に不満、不平を言うくらいなら自分で自分と家族を支える努力を勤務時間以外にしてきたか、会社がその時流に沿わなくなり困難に直面したときに自立できるだけの実力を蓄え、万一の事態に備えてきたかなどを反省すべきです。現状の不満を他人や会社の責任にしてはいけません。最終的には自己責任の時代です。

実現は困難なことかもしれませんが、製造業をめざす人にとってこれらの事例は忘れてはいけないことだと思います。その分、製造業の開業は難しくなってきています。

 設備、アルバイト労働力などお金を払えば手に入るもので経営ができる、勝負できると考えるのは経営者ではありません。お金で手に入るものはいずれ自分より強い誰かが出現します。安売り店の行く末は安売り店に負けることです。表面的ではないノウハウ、ソフトを含めた戦略と商品、サービスの組み合わせ、そして新しい時代にマッチした戦略と商品、サービスへの転換と古い時代遅れの戦略と商品、サービスの切捨てが実行できなければ経営者としては失格です。

 東南アジアや中国との時差で救われて、あるいはその時差で稼いできた企業にとっては一時的には幸せな時間が持てたでしょうが、すぐに大変厳しい局面に変わります。いつもトップランナーが同じであるような社会、業界は硬直化しており、交代ランナーが出現しなければいけません。その方が大多数の人たちにとっては幸せなのです。

「日本の企業やビジネスは良きシチズンにならなければならない」とソニーの故盛田昭夫氏は言われましたが、これは組織であっても常に個人としての意識、一個の人間としての判断力を失ってはいけないという意味に私は解釈しています。社会の基本構成単位である個人の意識の積み上げとして企業が存在し、企業生命が存在するのです。

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