日本の野球は監督の権限が強すぎる 3

前話: 日本の野球は監督の権限が強すぎる 2
次話: 日本の野球は監督の権限が強すぎる 4

野球統制令。

聞き慣れないこの訓令は、昭和初期に実際に存在した文部省からの野球弾圧そのものだ。
この事態に怯えた関係者が、野球を守るため「野球は教育」という方便を、持ち出した、というのは前回書いた通り。
しかしそれでは済まない事態を指摘する専門家もいる。
それは、国主導の思想善導…
つまり、年功序列、命令絶対、個より全体、といった国家に都合の良い考え方をまだ若い学生に浸透させるために、人気絶頂の野球が利用された、という指摘だ。
この論で行けば、そもそも、戦争があったから、野球が軍隊式の組織になったのではなく、野球を軍隊化させてから、戦争に突入したと、そういう順番になる。
そうだとすれば、楽しくて仕方がない野球を取り上げるぞ!と脅かして、軍隊式な教育手段に塗り替えた、あるいは、塗り替えざるを得なくした、この歴史的な罪は重い。
若者を戦争に駆り立てた、そして、スポーツを軍隊式の訓練の場にした、さらに、その指導者の権限を強大化させスポーツのあり方そのものを歪めた…
戦後直後、この野球統制令は、もちろん廃止された。
しかし、廃止後、また再び現在にも連なる、さらに、野球を教育コンテンツ化し、その指導者の暴走を助長する組織化が始まったのである。

続きのストーリーはこちら!

日本の野球は監督の権限が強すぎる 4

著者のAzusa Aragakiさんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。