偏差値27.5からの大学合格 その12

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運命の模試 その1
 秋の代ゼミ記述模試。会場は明治大学和泉校舎。
 京王線明大前から歩いてゆける。つまり京王線上北沢駅近くに住んでいた私の家からとても近い。代ゼミに行くよりずっと近い。
 とにかく英語が苦手であった。
 長文問題ときた日には、何を言っているかわからない。最初の3行位は何とか意味が分かっても、後は・・・となる。ところが、この日に限ってはその長文が全部わかった。
 オーソン・ウェルズの「火星人来襲」にまつわる話が問題文だったこともあり、すらすらと読める。設問も解ける。長文で時間を取られないので他の設問もじっくり時間を使うことができる。初めての「わかる」という実感。出来たという手応え。
 勉強もペースがつかめたところであり、結果が楽しみであった。やっとつかんだ自信。
 代々木校舎での答案返却。混雑する大きな地下教室での返却。結果は・・・
 英語5点、偏差値27.5
 
 何が起こったかよくわからなかった。慌てて答案を引っ張り出す。
 問1の一番最初。発音記号の問題。(ア)が正解。あとは全て×。
 自信を持って書き込んだ記述の解答も全て不正解。
 初めて、空欄を残さず、確信を持って答えを記入した答案が、壊滅。
 
 もう一度個人票を見てみる。
 各大学の合格可能性判定を見てみる。
 「E未満」
(君は、もうどんなに頑張っても、どのようにしても、何がなんでも、本当に、マジで、何が起こっても、とにかく、本当に、絶対に合格らない、という意味)

 打ちのめされた。
 天井がぐるぐるまわる・・・小説で読んだことのある安っぽい表現が、事実だと知る。
 冷たい汗が背中を流れる・・汗は冷たいが、頭はホットなんです。
 二浪という言葉が浮かぶ・・浮かぶというより、本当に、見えるんですよ。文字が。

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