発見や発明 2.2.3 危険性(2)

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生まれつきの悪人、失敗者はいません。いずれも生まれた後の環境、特に育てられ方、育ち方によりその方向性が決まり、過保護、過度の甘やかしがその引き金になります。最終的には本人の自覚、才覚、才能、努力などの欠如により悪人や失敗者になるのでしょう。その意味からすると人の親として子供を育てるのは大変な作業です。特に甘やかすのは易しいが、適度の厳しさを持って親子の両方が自立を目指すことは容易ではありません。

21世紀に入り、この世紀の牽引役と期待されていたIT、半導体産業も2000年秋から急激に下降しました。世界的同時不況、世界的販売不振、価格競争力低下、不良債権、失業率最高値と雇用不安などがまるで他人や他国の責任であるかのように言われています。

しかし、これは全て自身から出た錆、因果応報、おごり、甘え、といっては言い過ぎでしょうか?

世界的な販売不振は必要以上の商品を原料価値、技術価値、生産価値、人的価値を無視した過当競争生産、過剰生産で生じたものを不当低価格販売した当然の結果です。

価格競争力低下は、人的な資源以外には多くを持たない資源小国の日本が必要以上の賃上げを繰り返した結果であり、全員のおごりから生じたといっても過言ではないと思います。日本の価格競争力を取り戻す場合、20%~30%の賃下げが必要でしょう。中小企業の多くは1990年代半ばから実質的には賃金は下がっているのではないでしょうか。しかし、私の住んでいる尾道市の市職員の2002年度冬期平均ボーナス額は90万円ということでした。庶民感覚からは大きくずれています。

不良債権に至っては、資源の無い国が他人の資金(資本金、助成金などを含む)を当てにして甘えた姿勢で事業を営んできた結果である。借りた人が最も悪いが、貸し手の金融機関も同罪です。借金も資産などとうそぶいてきたおごりの姿勢と土地だけを担保に業務内容、技術内容を正当に査定せず無知に融資したことに問題があるのであって、当然の結果です。ベンチャーキャピタルなどといくら呼称を変えても所詮、人の金です。他人のお金を頼りに仕事をする人には真の成功、長期の平和はありません。20世紀の悪しき事象を反省できる人であれば容易には手を出しません。

失業の問題にしても、過去のエネルギー革命、繊維不況、造船不況で世界構造の中で高賃金を目指した日本が次にどの産業でこの失業問題に直面するかは当然予測できたはずです。予測できたら次のステップへの準備をしておかなければならないのに、その準備を怠ったために大きな問題になっているのです。政府や他国、他人に責任を転嫁するのは的はずれです。政治家が無能であるなら、同時に我々国民が無能なのです。無能者同志が非難し合っても問題の解決にはなりません。

これからの真の日本再生は海外への出稼ぎか一次産業への回帰が基本だと思います。即ち、原点に返り元から反省し、精神もサイズもスリム化、リストラすることから始まるように思えます。この状態を独創的技術で、一国だけが独占できるような技術で救える可能性はゼロに近いでしょう。人間のレベルと大きくかけ離れた技術が生まれたとしても人類の平和と幸福に貢献する保証はどこにもありません。それをあたかも可能なことのように声高く叫ぶ人は実際に技術開発、モノづくりを経験したことのない人、実業に身をおいたことのない人で、非現実的な空想の世界に生きる人であり、彼らの説は机上の空論です。

科学技術の発達、過当競争、及び情報伝達速度の速度は自然が関与している生産ペースを大きく超過しました。 製品は短期に、例えば数年で過剰生産に陥いります。人間が100%近くコントロールできる技術による生産は人間が本来の持つ生活スピードやリズムを狂わせました。一瞬の幸せを謳歌できても人生サイクルでの幸せはもたらさないのです。人間本来のペース、感性、リズムを取り戻すことから再生がスタートすると思います。

以下の記事は1995.02.20付けThe Nikkei Weeklyで紹介された節電虫です。


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