ハロー!クロスアセクシャルマンの愉快日記2~今までの希望編~

前話: ハロー!クロスアセクシャルマンの愉快日記1~まずは自己紹介~

ハロー!クロスジェンダーアセクシャルマン・・が長いので、タイトルは略しました。クロスアセクシャルマン。これでも長いね。

とりあえず今回は自己紹介の続きということで、今の僕についてもう少しご紹介します。今回は希望編。いきなり絶望編から入ると、どこにでもいそうな単なる悲劇マンになるからね。
先に強調しておくけれど、僕はあくまでも、女の子ではないし男の子でもない。かといって流行りジェンダーネタでインテリぶりたい意識高い系でもさらさらない。なんせ僕は自他ともに認める最強のアングラメンタルだから。
あとね、若気の至りで自分のことかっこつけで「僕」とか言っちゃってる女の子、と一緒にされたら流石にキレるよ。僕は「俺」でもなく「あたし」でもない、「僕」が一番しっくり来るからそういってるだけ。宜しくね。
さて、希望編ということで。頭から何を言っているんだという話だが、僕はそこそこ顔が良い。可愛い顔でもなくイケメン顔でもない、そもそも顔で性別を見分けづらい・・まぁ、端的に「美人だね」とよく言われるタイプの顔である。声は少しハスキー・・というか最近コナンボイスとか配信で言われてるけれど、男にしては高い、でも女にしては低い、そういう声。
身長も靴のサイズもそんな感じ。男にしては小さい、女にしては大きい。そんな、およそ全てにおいて性別で分けるには微妙な僕だが、恐らく最初に自分の性別の謎を自認したのは小学校低学年の頃だった。
髪が短かったせいか、親や祖母と出かけた先で時折男の子に間違われることがあったのである。そこまでは良かった。だが問題は、僕と大人の感覚の差である。親が「やだぁ、この子こう見えても女の子なんですよ~」と相手に注意事を言う中、僕はどこかわくわくして、喜んでいたのである。僕、男の子に見えるんだなぁ、って。
ASDを持っているせい、とは言わないが基本的に計算ドリルにしか興味のなかった子供だったせいで、小学校の頃は親が買ってきた可愛らしい服などを着せられることにも抵抗・・というか興味は無かった。中学の制服も、「そういうものだから」と普通にスカートであった。二次性徴のアレコレだって、特に抵抗は無かった。・・・何故かというのは、この年になって漸く気が付いた次第である。つまり、僕にとって体の性別などというのは遥かにどうでもいい事だったのだ。
閑話休題。そして僕がクソタラシの名を恣にしたのは高校に入ってからだ。僕の通った高校は私服校であり、男女共学、1学年320人と僕の地元じゃ結構大きい方だった。それゆえに、中学時代の知り合いはいない。僕が自分を「僕」と言い始めたのは、丁度この頃だ。そう、身体や服装がどうであれ、気に入らなかった「あたし」。それを、親の目が届きにくくなる高校で、まず僕はかなぐり捨てた。
するとどうだろうか!体が軽い!楽しい!・・ずっと苦手だった女の子との付き合いも、「あたし」ではなく「僕」であればとても自然で、簡単な事だった。やがて、友情以上に慕ってくれる女の子が何人かできた。さらに、何を思ったのか僕に告白して来た男の子だって何人かいた。・・何も隠さなくていい、ありのままにふるまえる。相変わらず家では「もっと女の子らしく」「どうせすぐに嫁に行くんだから」「あんた、大学生になるってのに髪伸ばさないの?」などと言われていたがお構いなし。そして僕は親元を離れ、東京の工学系大学に進学した。
そして現在、およそ僕の頭は9割が男の子、1割が女の子といった感じだ。その境目はあいまいで、正直毎朝変わる。だから服だって毎日変わる。
けれど、寮に入ったおかげでできた他専攻の友人たちは、僕を最初から「そういうものだ」と特に違和感を・・持ったことは持ったらしいが、もう慣れたと言ってたっけ。そう、例えば洗面所のコップの色が緑だろうがピンクだろうが特に気にしないように。僕は、頭の性別が殆ど男の子なのに体は女に子、なんていうことに特に違和感は無かった。だって、身体はたまたまこうだった、というだけで、所詮は入れ物でしかないのだからさ。
そして3年目、例えば頭が完全男の子の日は、メンズ黒ジーンズ、BEAMSのカラーボタンシャツ、フード付きパーカー。真ん中くらいの日は、タートルネックに細身のジーンズ、ロングカーディガン。これは滅多に無いけれど稀にある頭が完全女の子の日は、バーバリーの巻きスカート、黒タイツ、レースアップシューズなんて恰好をすることはある。これはファッションではなく、二つの性別が頭の中で緩く同居してるから起こり得ること。僕はこれがしっくり来ているし、友人たちは「お前今日何でスカート、何かあったのか」「相変わらず腹立つほどイケメン雰囲気だな」なんて、正反対の感想を平気で口にする。そう、つまり堂々としてりゃ、周りなんてもの、なんてこと無いのだ。こういう生き物なんだと、胸を張ってさ。女の子の友達はいないけれど、毎日寄ってたかって友人たちと下らない話をして、たまにみんなで夕飯とか食べに行ったり、あの子の足キレーだよなーなんて盛り上がったり。だって、そんなにカースト上位じゃないような大学生男子ってこんなだろ?



な ーーーーーーーーーー ん て ね 。 


 さぁ、希望編はここまで。次回、楽しい楽しい絶望編。読みたくない方は飛ばして。今はイントロダクション、本来このシリーズは僕の日々の日常を語るものなのだから。イカれた人間の絶望の気分なんてどーでもいい?なら、ほら、次へ、ってね。マウスカーソルをひょいと動かせば、恐らく次の次のお話は「不思議で楽しい、とあるクロスジェンダー人間の脳内」だよ。
 見たい、って人だけ、よっといで。
 サァサ、幕引き幕引き。そして、独り善がりな独白劇の、幕開け、幕開け。

ストーリーをお読みいただき、ありがとうございます。ご覧いただいているサイト「STORYS.JP」は、誰もが自分らしいストーリーを歩めるきっかけ作りを目指しています。もし今のあなたが人生でうまくいかないことがあれば、STORYS.JP編集部に相談してみませんか? 次のバナーから人生相談を無料でお申し込みいただけます。

著者のSajo Keisukeさんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。