将棋 プロ挫折後16

2 / 2 ページ

そして最後の最後まで粘ってがいたが、力尽き杉本投了。



俺たちは負けた。



結果は準優勝で幕を閉じた。


優勝は2勝1杯で宇高。

全国大会出場が決まった。



もう一つの約束を果たせなかった。

彼らを全国大会に導くことができなかった。

優勝を味あわせることができなかった。


非常に残念だったが、この時本当に悔しかったのは俺ではなく


杉本と北里だった。


この時初めて負けて二人は涙を流した。


負けてこんなに悔しいのはこれが初めてだと。

お前は約束をちゃんと守ったのに、俺たちは約束を守れなかったと。


俺も二人の姿を見て泣いてしまった。


何も声をかけることができず、ただ三人で泣いた。


部員と顧問はとても喜んでいたが、俺たち三人は誰も喜ぶことはなかった。


本気の涙だけが残った。


そして、表彰された銀メダルは三人揃って、そのまま会場に置いて立ち去った。


「俺たちは金メダル以外いらない。」


そう話さなくてもお互い伝わっていた。



現実とは残酷なものだ。


努力したからといって必ずしも求める結果が得られるわけではない。


必ずしもハッピーエンドで終わるわけではない。


結果を得られない苦しみもある。


「結果があるから行動するのではなく、行動するから結果がついてくる。」


それは時に望んでいない結果かもしれない。


けど俺たちはそれを乗り越えていかなければならない。


この先の長い人生


色々な苦難が待ち受けている。


思い通りにならないこともたくさんあるだろう。


行動の結果が受け入れられない結果もたくさん出てくるだろう。


逆にうまくいくこともあるだろう。


それら全てを受け入れて、それでも俺たちは前に進むしかないんだ。



こうして俺たちの将棋は終わりを告げた。


この話は全て実話です。END

著者の諒 酒井さんに人生相談を申込む

著者の諒 酒井さんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。