省エネ転じて福となす 3.3.2 開放と気楽さ
独占が苦しさをももたらすならば、逆に開放は気楽さと楽しさをもたらすかもしれません。独占維持のために神経をすり減らすよりも開放の方が精神的にもよいでしょう。
開発者や開発者の所属する企業とすれば大切な発明・発見・創意工夫の内容を無防備に開放することにはためらいがあるでしょう。
しかし、インターネットを始めITによる情報公開が大幅に進んでいます。オリジナルな発明・発見、創意工夫が誰によってなされたのかは追跡すれば判明します。日本では特許は先願主義ですが、発明や発明者を優先する方が理にかなっていると私は思っています。今日では発明・発見、創意工夫が誰により行われ、誰の協力によって進化し、使用され、公益に供されているのかは調査すればはっきりします。2002年度のノーベル化学賞を受賞した田中耕一さんがよい例です。私たち日本人のほとんどが知らなかったにもかかわらず、ノーベル賞委員会は田中さんを見つけ出しました。
環境と生命に関する発明・発見、創意工夫が先ず基本的に世界中に公開開放されることを祈っています。そして、多くの人の手で改善、改良され、多くの公共的な利益のために役立つことを祈っています。もちろんその発明・発見、創意工夫した人が生活レベルや研究推進レベルでの常識な範囲で恩恵を受け、厚遇されることも必須条件です。そしてこの流れが他の知的所有権にも及ぶことを祈っています。
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