省エネ転じて福となす 3.3.1 独占と苦しさ

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 独占しようとする発明、発見、技術、創意工夫は防御体制や費用が必要です。これらに要する経費が独占した発明、発見、技術、創意工夫がもたらす利益よりも小さければ計算上はプラス利益となり企業経営には歓迎されます。

 しかし、独占・排他的であれば同じように排他的な扱いを他から受けるのも世の習いでしょう。技術特許であればクロスライセンスが成立しお互いのメリットにはなるでしょう。独占で得られる企業利益と独占で失われる全社会的なロス(イメージの損傷を含めた)は、例えばエイズ薬の製造販売などの場合はどうなのでしょうか。死に直面した多くの命を横目に見ながら独占的技術によるビジネスの正当性が広く受け入れられるものでしょうか。

 企業の特許申請数が企業の力に比例するのは事実でしょう。一方で、直接企業の仕事や利益に結びつかない多くの特許をかかえてその維持に四苦八苦している企業もあります。彼らは彼らの特許を公開しその開放利用を有償で進めているようです。必ずしも計画通りに事は進んではいないようです。社会のために利用してもらうという発想ではなく、経費負担軽減のための苦し紛れの手法ですから仕方ありません。

何でも権利化して独占財産にしてしまうという考え方は古代にはなかったでしょう。最近では生命の維持には不可欠な飲料水さえもアメリカ企業が他国で権利化されたビジネスにしています。水を買えない人々は衛生状態の悪い水しか飲めない状態に陥り、死んでもかまわないのでしょうか。

人類の知恵、知識から生まれた発明を広く人類の共有財産として管理し発明者にはそれなりの処遇をする制度ができないものでしょうか。IT時代を標榜する21世紀には20世紀とは異なった発想、方法、商法もあってもいいのではないかと思います。


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