道草物語 第六話

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妻は白紙に戻ったことを少しも気にしてないそぶりで、「2軒目見つけてきた!」というのだ。夏休みの小学生かよ、と心の奥底で聞こえないようにツッコミを入れつつ、見つけてきた物件はとても陰気臭いものだった。
家から徒歩2分のところにあるその物件は、前は飼育魚を販売していたようで、臭いがひどかった。「洗えばなんとかなるよ?」と妻。僕は空耳だろうと思って何も返事しなかった。
しかしまぁ、飲食素人の僕でもわかる。この店は繁盛しない。だって運気が低そうだ。2週続けてめざましテレビの占いで12位を取ってしまうくらいツイてないような場所な気がした。こんな場所を持ってくるなんて妻にしては珍しい。
さて、ここは僕の腕の見せ所である。真っ向から「ダメ」といえば空気が悪くなるので、「本当にここでやりたいの?」「ここでやってるイメージつくの?」と質問を繰り返した。それでもやりたいというなら、それでもいい。まずは本心を訪ねてみようと思った。
質問を繰り返した挙句「...ちがう」と妻から答えが。
まったく。夏休みの小学生かよ。

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道草物語 第七話

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