とうとう…

著者: 廣田 祐也

前話のSTORYを書いてから何年になるだろうか。ようやく公立(高校)の採用試験に合格し、教諭としてのスタートを切った。

教科指導は、課外も含めて、2年生・3年生を担当し、受験指導(国公立2次)も行ってきた。分掌は総務部・教務部・進路指導部と、幅広く色々な経験をさせてもらっている。部活は、今年からようやくバレー部男子を担当することになったが、新型コロナの影響で、いつから活動が再開できるか分からず、3年生はインターハイ予選に出ず引退ということになる。あまりにも残酷だ。
でも、こんな時こそ教員が、生徒のモチベーションを上げるために創意工夫をしなければならない。3年生は進路決定の時でもあるため、進学希望者はどうやって受験準備に気持ちを切り換えていくのか(トップ進学校の生徒であれば、休校中がチャンスだと思って、3月から取り組んでいる人も多いと思うが…)。就職希望者は、肝心要の面接の練習をどうするのか…等である。部活は、何もせず引退することになるかもしれない3年生のために何ができるのか。ずっと考えている。
はっきり言うが、私は、自分のような高校生活を生徒達に送ってほしくないと思っている。今でも、中3時の高校受験直前の夢を見ることがある。元々第一志望だった高校を受験し、合格発表の掲示板の前で喜んだところで毎回目が覚める。自分では意識していないつもりなのだが、深層意識の中に過去へのこだわりが未だにあるということだと思う。このままではいけないと分かってはいるのだが…前話で書いた、人間が好きということ以外に、高校教員を目指したのはこのことを生徒達に伝えたいからである。だから、自分は教師でもあるが、反面教師でもあると思っている。
これから、何人の子ども達の指導に関わっていくのか分からないが、子ども達の人生にとって良い選択ができるよう、全力でサポートしていきたい。

著者の廣田 祐也さんに人生相談を申込む