節電虫の誕生 4.2 成長期待と挫折 4.2.1 時期尚早 (2)

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数週間後、日本経済新聞社、科学技術部の吉川記者から電話をいただき、長時間の電話インタビューをしていただきました。

そのインタビュー内容は、弊社が待機中の電力消費量をゼロにするいう装置を開発した、という記事(https://1drv.ms/u/s!Ai_aaa4f_vZzgnUVuhinsw7I9U_g?e=dAxq0n)となって1994年12月21日付け日経産業新聞の5面トップ記事として報道されました。

手作り節電虫(益虫)試作機開発からこの報道まで僅か半年弱の時間しか経過していませんでした。私の期待がその後に経験するビジネスの厳しさをはるかに越えて大きくふくらむのもやむを得なかったかもしれません。

しかし、1994年といえばバブル経済が破たんして数年後であり多くの人々はまだまだ好景気気分を楽しみ、1999年4月に底を打ったといわれた長く辛い不況が日本を襲い、更にその不況が5年間も続くだろうということを当時は夢にも思わなかったでしょう。

ですから、10Wh~100Wh程度の小さな待機消費電力消費への関心は大変希薄でした。まして、待機消費電力を節約するという考えを持つ人の数は少なく限られていたようでした。

1970年代に消費や物品の使い捨てをあたかも美徳のようにさえ言いながら、あるいは信じながら産業界をリードした人たちや仕事をしていた人たちには節約の概念が希薄でした。第二次世界大戦後の物質不足にあえいだ時代、節約や我慢が最優先された数十年前の時代のことはバブル景気を経た影響なのか、遠い昔のことのように忘れ去られていました。どうやら、人間は忘れてはいけないことも忘れる動物のようです。

省エネルギーや節電についてついては誰も反対はしませんでしたが、積極的に賛成するという機運もありませんでした。節約や我慢が非常に大切であった第二次世界大戦後の記憶も喉元過ぎれば熱さ忘れる、ということかもしれません。ある意味では時期が早すぎたということだったかもしれません。

しかし、振り返って考えれば、省エネルギーや節電を実行するのに早すぎるということはあり得ないということは、2000年時点で長い好景気を楽しみ、エネルギーを使いたい放題に使っているアメリカを除いて、現在の世界的な状況から明白です。

省エネの実行が、例えば、結果として地球温暖化防止などとして結実するかどうかは個人個人の行動次第なのです。

節約を消極的に、あるいは後ろ向きに捕らえて、辛い、時代遅れなどと考えないで、節約が近い将来に福をもたらす方法の一つで、未来の子孫への良いプレゼントに必ずなる、と考えを切り替えることが大切です。節電で福を呼び込みましょう。省エネ転じて福となす、です。





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