節電虫の誕生 4.2 成長期待と挫折 4.2.1 時期尚早 (1)

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企業存続のためには企業規模の大小にかかわらず、新規事業、新規開発は不可欠なものですが、その成功率が決して高くないのも周知の事実です。私の小さな会社にとっての新規事業である節電虫(益虫)開発の船出も決して容易ではありませんでした。

 1994年6月29日に誕生した節電虫(益虫)は異常な暑さと水不足の夏の間にいろいろテストを経てその年の秋口から次のステップの準備に入りました。翌年1995年に無料試用キャンペーンと注文生産販売を開始するための準備でした。

一方、私が節電虫(益虫)の開発を行っていた初年度、1994年度の10月9日に日本経済新聞の中外時評というコラムで同社論説委員の鳥井弘之氏が「情報化、地球環境に重荷?」-“待ち”の消費エネルギー、という意見を次のように述べられました。

タイトル:情報化、地球環境に重荷? ”待ち”のエネルギー浪費

筆  者:論説委員 鳥井弘之

内  容:最近、家庭に入ってきた情報機器の代表格はファクシミリであろう。何をしていても、電話がなると中断しなければならない。しかし、ファックスなら 機械が勝手に受信してくれるから、いちいち煩わされずにすむ。しかも地図や絵も送れるから便利である。    

 しかし、エネルギー消費という面から考えると、便利なファックスも首をかしげたくなる点がある。ファックスは、いつ呼び出されるかわからないから、常時待機の状態にある。実際の通信時に比べれば、待機時の電力消費は十分の一程度である。普通の家庭で一日に送受信するのは多くても五枚程度だろう。一枚の送受信に十二秒かかるとすると、稼動時間は全部で一分にしかならない。残りの二十三時間五十九分、つまり千四百四十九分は待機している計算になる。こう考えると、ファックスの消費電力の99.3%は無駄とも言える待機のために使われている。

 待ち時間のエネルギー消費はファックスばかりではない。ビデオ録画やテレビの番組を予約すれば、やはり待ちのエネルギーを使う。クーラーや炊飯器でも同様である。しかしこれらは機械式のタイムスイッチに置き換えることもできる。ところが通信機械だけは常時スタンバイが本質であり、電気を使うしかない。

(お断り:上記内容は記事の約15%(関係するところのみ)をそのまま抜粋しました。全文は添付の写真又は https://1drv.ms/b/s!Ai_aaa4f_vZzgn9i0rt-MLXqk9Rx?e=x6xzLD をご覧下さい。

以上の通り、鳥井弘之氏によれば、家庭に入ってきた情報機器の代表格であるファクシミリの消費電力の99.3%が無駄とも言える待機のために使われている、とのことでした。ファクシミリの本来の目的である情報の送受信には僅か0.7%の電力しか有効利用されていないとういうことです。

又、鳥井弘之氏は情報技術開発が省エネルギーよりも便利さの追求を優先しているとも述べていました。情報化の進展がエネルギー消費を増大させ、環境を悪化させる心配があると説いていたのです。

私自身は鳥井弘之氏の主張に全面的に賛成しますが、更に現在の大手メーカーの情報技術開発姿勢を見ると便利さの追求以外にもその姿勢に大きな疑問を感じます。すなわち、より良い技術の改善や開発も

①すべてが横並びで、

②数十%の改善を段階的かつ意図的に繰り返して買い替え需要を作り、

③その結果多くのゴミを生産している、

という感じがぬぐえないのです。待機消費電力のような無駄なエネルギー消費を何故いっきにゼロ化できない、又ゼロ化しようとしないのでしょうか。

なお、この鳥井弘之氏の論説記事は私の長年の友人で、節電虫(益虫)の開発にも折に触れて良いアドバイスを現在でもいただいている佐藤俊昭氏が、わざわざ持参してくれたのでした。

私は心から“我が意を得たり”という気持ちになり、どうにかして中島弘之論説委員と接触したいとの願望にかられている時に、日経BP社記者の木村知史氏による産業機械デザインの講演が隣接市である広島県福山市の広島県東部工業技術センターで開催されました。中島論説委員の論説記事掲載から僅か5日後の1994年10月14日のことでした。

私はこの講演を聴かせていただいた後で、講師である木村知史日経BP社記者に日経新聞の中島弘之論説委員が書かれた論説記事と私が開発した節電虫(益虫)試作機を見ていただき、中島氏が指摘した待機消費電力消費の問題点を解決する具体的な方法と具体的な装置をすでに私が開発しているのでぜひ見てほしい、と依頼しました。



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