節電虫の誕生 4.1.7 大切な人的ネットワーク

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優秀な電気部品、電子部品を使って節電虫(益虫)二号機を試作開発するポイントが「送受信のモニター中(待機中)は待機電力消費量ゼロ」であることを納得してもらい、そのための方法も理解してもらいました。

さすがに電気・電子の専門家です。私の要求すること、すなわち何故待機中に電力消費がゼロでも節電虫(益虫)が動作するのかをよく理解したその電子機器設計試作会社の技術社員はすぐに設計を変更し、試作に再度挑戦してくれました。そして、数日後には節電虫(益虫)二号機(107ページの写真)となる試作機を完成したのです。

この試作機をファックスに接続して実際の文書の送受信をくりかえしながら呼び出し信号の間隔、電話回線の極性などが節電虫(益虫)に与える影響など、海外でも使用できるように考えられる条件の多くをテストしました。

ところで、節電虫(益虫)二号機以降の試作機を完成させてくれた技術社員の勤務する会社とは中小企業家同友会という団体を通じて知り合いました。この本を読んで下さっている方々の中にも中小企業家同友会会員がおられると思います。

私は中小企業家同友会に在籍させていただいていましたが、この他にも1993年度からは広島県の異業種交流グループにも積極的に参加して多くの優秀な企業と交流を開始していました。その交流が節電虫(益虫)二号機の試作依頼、試作機完成という形でそんなにも早く役立つとは思ってもいませんでした。 

ご存じの通り、異業種交流活動に参加しますと異なった業界、業態の経営者や経験豊富な方々に会うことができ、意見やアイデアの交換を通じてグループとしてつき合いや、個人対個人での身の丈に合ったつき合いの中からお互いにメリットを見いだせることも多いのです。

時代は絶えず変化します。一人の人間が見たり、聞いたり、体験したり、又実際に行うことのできる範囲には限度があります。普段から多くの異業種の方々と懇意にさせていただき、いつでも相談させていただき、意見やアドバイスをいただく関係を時間をかけて構築しておくことが大変大切だということをこの節電虫(益虫)の開発を通じて私は痛感しています。

現在、広島県には約20の異業種交流団体があり、私はその一つである広島県クリエイトプラザの第三代会長を2002年度に務めさせていただきました。

なお、節電虫(益虫)の試作とテストを繰り返していました1994年度時点での私の大変小さな会社業務内容とその割合は

①国際ビジネス支援30%、

②翻訳通訳45%、

③語学教育支援20%、

④新規事業5%

でした。節電虫(益虫)開発が僅か5%比率の新規事業の中で模索していた異業テーマであり、金、物、人の3資源を使うことのできる状態でなかったことをご理解いただけると思います。


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