節電虫の誕生 4.2 成長期待と挫折 4.2.3.1 個人、企業の環境意識

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さて、1990年以降から現在を見るとき、バブル経済の崩壊と長引く不況、1991年の湾岸戦争、地球温暖化などの諸問題に私たちを含めて世界の人々が直面してきました。、 

地球環境の面から見れば、1997年12月に地球温暖化防止京都会議、COP3が京都で開催され、これに触発されたかのように環境管理・監査の国際規格ISO14001の適合事業者登録数が1998年4月に1216件だったものが、2000年6月には3609件と約2年間で3倍に増加しています。この時期が企業が本気で環境に取り組み始めた時期になるのでしょう。

この数字から判断する限りにおいて、企業での環境意識は着実に深まり、そして行動を伴っているようです。

一方において家庭においてファックスの普及率が1994年に9.6%であったものが1999年には33.1%となり5年間で約3倍、パソコンでは1994年の16.6%が1999年には37.7%となり5年間で約2倍になり、家庭でも情報・通信関連機器の購入利用が急激に進んでいます(1999年の全国消費実態調査、総務庁2000年7月11日発表)。なお、2005年時点でのパソコンの世帯普及率は60%を超えています。

ここで、大切なのは環境に負荷を与えると思われる情報・通信関連機器取得の伸び率に環境意識と環境行動が伴っているかどうかです。企業での環境意識と環境行動に比べて家庭での環境意識はまだまだ相当低く、環境行動は鈍いと私は判断しています。これは大気汚染や水質汚染がたどった経過とパターンが同じです。

多くの環境運動、NGOやNPOの活動、行政指導などを通じて私たちの環境意識は向上しているのでしょうか。向上していると仮定してその環境意識に行動は伴っているのでしょうか。意識と行動には時差が生じるのは当然としてもこの時差を縮める手だてはないものでしょうか。

率先して多くの人々が省エネルギー、節約を実行するほど人間は利口にはできていないかもしれません。節約、省エネルギー、節電が価値のあることだとすれば、実行することが何か具体的で目に見えるメリットを生み、そのメリットを通じて更なる実行を促す良い循環システムを作ることも最大かつ最良の省エネルギー結果を生む方法として必要かもしれません。

節電であれば、過去の数年分の電気使用量をグラフ化して目に見える形にして、あるいは節電で少なくなった電気料金を利用者に具体的に数字で知らせて、その努力をたたえ、努力にはボーナスを出すのも方法ではないでしょうか。“節約を転じて福となす。”

エネルギー・経済統計要覧によれば、産業界や貨物業界には環境保全や省エネルギー意識に行動が伴っていることは統計的に認められます。

しかし、旅客業、家庭、そして業務分野では省エネ意識と行動の間に差があり、エネルギー消費量を増大している原因になっています。旅客業でのエネルギー消費量増大の原因は自動車の普及と利用でしょう。個人レベルでは電機製品の普及と意識の希薄さが原因でしょう。業務分野でのエネルギー消費量増大の原因は通信、情報機器によるエネルギー消費量拡大が原因でしょう。

この3つの分野で共通するのは「便利さ」であり、過度な「便利さ」と、メーカー論理だけで付けられた過度な機能により、それらに慣れてマヒした現在の状況がエネルギー消費量の増大継続の要因です。本当に必要な便利さと機能は何かを個人のレベルでよく考え、過度な便利さと機能を取り除くリストラが必要な時期です。

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