節電虫の誕生 4.2 成長期待と挫折 4.2.3.2 個人、企業の環境意識、TVコメンテーター米倉教授からの返事

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不必要で過度な機能、使いもしない機能にはNoと言える消費者になろうではありませんか。現在ではインターネットのおかげで個人意見であっても、良い意見、建設的な意見には大きな共感と支持を得ることが出来る時代なのです。

環境意識向上はオピニオンリーダーの人たちの発言も大切ですが、地球全体レベルでの結果を左右するのはやはり個人の行動に依存しています。

車の運転を10%カットする工夫と実行がそんなにも大変なことでしょうか。家庭での電化製品のコンセント管理は無理でしょうか。事務所での冷暖房管理、情報通信機器のつけっぱなしはどこまで必要なのでしょうか。

これらはすべて個人個人の意識と行動の問題ですが、組織になると、あるいはたくさんの電化製品に囲まれていると節約の意識が薄れてくるのでしょう。

ここで、節電虫(益虫)に話を戻しますと、開発開始以来一年弱を経過し、無料試用キャンペーンと販売の両方とも期待通りには進まず、多少気落ちしている時にNHKの日曜日午前中に放送されていた経済番組「サンデー経済スコープ」を見る機会がありました。

ある日、レギュラー解説者の一人で、当時、一橋大学商学部産業経営研究所教授をしておられました米倉誠一郎教授が番組の中で、“日本企業の生きる道は省エネルギー関連のビジネスだ”、という内容の短い発言をされたのを耳にしました。

私は、少々気落ちしていた自分の気を取り直して再度、意を強くすると同時に、全く見知らぬ米倉教授に私の行っている節電虫(益虫)開発のことを連絡したいという気持ちになりました。

翌朝(月曜日)、事務所に入るやいなや、大学受験案内書を開き一橋大学の住所を調べました。実は、1990年代中頃まで私は高校生に大学受験英語の指導をしていた関係で、大学受験案内書を所持していたのでした。

ありました、一橋大学の住所が。

そこで、私はNHKのテレビ番組で紹介されていました米倉教授の学部を付け加えて、私が過去一年間ほど行ってきた節電装置開発のこと、そして節電や省エネに対する私の考えを添えて手紙を送りました。

米倉教授はきっとお忙しい方と想像していましたので、返事は期待していませんでした。しかし、驚くことに、米倉教授より以下の内容のご返事をファックスでいただき、沈みがちになっていた私は大変な元気と勇気が出ました。

以下が米倉教授よりいただきましたご返事の内容です。

                           1995年6月21日

釜本さん:

 お便りありがとうございました。釜本さんがおっしゃられるとおり、いま世界が本当

 に必要としているテクノロジーは、釜本さんがやられているよ省エネルギー、代替エ

 ネルギー開発だと思います。こうした技術革新をKECのような小さな企業が真剣に

 取り組んでおられることを知り、本当に嬉しく思いました。大した力にはなれません

 が、何かことある毎に言及したいと思います。縮み志向になっている日本の産業社会

 に大いなる刺激を与え続けて下さい。

 取りあえず、お礼まで。

                        

 限られた時間内のわずかな発言に積極的に反応して下さり有り難うございました。今

 後ともどうぞよろしく。

                        S.Y.

 そして、しばらくしてから米倉教授から著書「戦略的国家・企業・個人を求めて パワー・トゥ・ザ・ピープル」をいただき、拝読し、その後の指針としました。

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