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【フランスの森の中⑫】上裸でドレッドな妻子持ちヒッピーと、廃バスの中で成立した英国人カップルたちと、テントの中で「人間失格」を読みふける僕(19)と、時々犬連れてるおっさん。

Image by Olia Gozha

Dimanche, on travail jamais!!!

森の中での生活で1週間が過ぎた。だんだん、お仕事にも慣れてきた。コミュニケーションも良くも悪くも身振り手振りで伝わる術なんかも追加しつつ、なんとかなるレベルに。野菜も美味しいし、結構肉体労働でも問題ないみたい。というかめっちゃお通じ良いのはビビった。。。そんなこんなで、日曜日。オールフリーな休日がやってきた。だいたい1週間ぶりくらいに現代文明と出会うことになる…。

とはいえ、一応休日なんだけど、午前中はあまり変わりない。日曜日はジペもお休み?だからなのか、朝食はふいにどこかへ出かけ、パンを買ってきていた。超美味しい手作りナンも好きなのだが、買ってきてくれるバターたっぷりのクロワッサンも超美味しい。特別感ある。みんな大喜び。午後までは特にいつもと変りなく、だらだらするだけ(笑)。ちなみに人間失格を聞き切った僕は、これまた事前にダウンロードしていた青空文庫で、「ドグラ・マグラ」、「黒死館殺人事件」を電子書籍で読み込んでいた。日本三大奇書の2つだ。遅れてきた中2病だったのかもしれない。というか青空文庫でなんか人気だったのでなんとなくダウンロードしたものの全然読んでなかっただけだ。他に遊びが少ないのでこのやば気な本を、フランスの森の中で、外に置いてあるソファでだらだらしながら読むという奇妙な経験を楽しんでいた。。。

午後になって、気晴らしにどこか行ってみたら?ということで、ジョンとメアリと僕との外国人若手3人組?で遊びに行っていいよ~と車を貸してくれた。メアリが3人の中では古株で、もう1か月くらいいるらしい。ジョンは自分より1週間くらい早いくらい。メアリがいた夏真っ盛り(8月上旬)は外国人がたくさんいて、わいわい暮らしていたそう。そんなこともあり、「良いところあるよ^^」と近くの池がある公園にピクニックに連れていてくれることに。そう、ピクニックだ!!!!知らない人のために解説しておくと、フランスにおけるピクニックは公園の芝生に、パンとかチーズとかワインを持ち込んで食べながらおしゃべりする、というもの。よくあるのは、パリのエッフェル塔近くでやると、今でいえば、めっちゃインスタ映えな感じになる。フランス語を勉強していた僕のもう憧れであったが、冷静になって考えると、毎日野外で飯食って酒飲んでるので普段の日常とあまり変わらない。

なんとも、刺激というのは面白いものだ。抑圧?されると、なんてことないことがとんでもないエンタメでものすごく刺激的に感じるのだ。というのも、単純に1週間ぶりに、ピクニックの買い出しのため、街へ行き、スーパーへ行っただけだ。それだけでものすごく楽しかったし、10年近く経った今でもめっちゃ覚えている。街へ行くこと自体に、現代との遭遇を感じる(笑)。「うわー、お店だ!」とか、「石畳すげ~!」とか意味の分からない興奮。スーパーなんて、まじで現代文化の象徴だ。なんか広告っぽいキレイな包装とか、野菜がきれいな形で値段がついているとか、それだけでめちゃくちゃ文明を感じてしまい、すごくテンションがあがった。なんとなくみんなでベジタリアン続けちゃう?ということでお肉は買わなかったが、パンとチーズとポテチとオレンジジュースを買うことにした。お金を使うということ自体がすごく文明的でめっちゃ高揚した。割り勘で300円くらい。それだけ。まじでお金のかからない滞在だったんだよな。

街の感じとか決して大きくないし、スーパーも正直普通の小さい小売り店だったんだけれど、1週間森の中で野外生活するだけで、こんなに興奮するんだって思った。それだけ本当になかなかできない経験だったんだなって思う。日本にいると、便利さと刺激に慣れすぎてるんだと思うんだよね。消費社会ってどれだけ感覚を麻痺させてて、ネットも含めてあらゆる情報を頭に自動的に押し込んでくるだよなっていうことがわかった。あと、実はジペの家以外の普通の農家にも行ってて、1か月ほどフランスに滞在したんだけど、費用は総額18万円(航空費11万円とパリの観光費用込み)だったんだ。つまり、ほぼお金つかってない(笑)。ある意味、大学生が夏休みを1か月だらだら過ごす費用とそんな変わんないんだよな。こういう考え方、ぜひ今の大学生にも教えてあげたいな、とも思っている。

ちょっとピクニック編は次回も続きます。

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