日本の野球は監督の権限が強すぎる 6

前話: 日本の野球は監督の権限が強すぎる 5

中止になった春夏の甲子園。突然降って湧いて出て来た、春のセンバツ救済策としての、夏の「甲子園」での交流試合…そして粛々と、各都道府県では、甲子園へはつながらない独自大会が計画中。

甲子園の開催可否が決まらぬ最中は、高校野球だけが特別なのか!と怒った大衆と、甲子園中止後は、判断が早過ぎただの、三年生のために代替大会を!だの、アンチもファンも大忙し。
そこで、世論や、監督や関係者が散々訴えて来た「三年生のために!」という文脈に一言。
それはとても素晴らしいことだけど、今までだって、真面目に甲子園を夢見て来た高校3年生は、多く大会前に、戦わずして甲子園への細い可能性を断たれて来た、あるいは大人達が断って来た事実を思い出した方が良い。つまり、多く、本気で甲子園を目指す高校の場合、多くの三年生は6月の段階でベンチから外れ、戦わずして甲子園でのプレーチャンスどころか地方大会でのプレーもできない。
教育に基づく競争原理だから仕方ない?いや、多くの場合は入学時から同学年に30名を越える部員がいてチャンスすらもらえず、最後の最後までユニホームを着れない部員がいる現象が、競争原理だろうか?
つまり、今年に限って、大会が無くなってしまったのが可愛そうだからという世論や文脈が多いが、それは今までだってずっとそういう思いをして来た三年生は多いんですよってこと。結局、大会開催されて一番楽しいのは、選手でなくて監督、関係者、つまり大人の方なんだから。
しかも、今年に限って「可愛そうだから」という理由でベンチ入り人数まで増えるという…

ベンチ入り不可能を悟っていた三年生の多くは、本音の部分で、今年大会が無くなって、みーんな野球できなくなっておんなじだ!と、ホッとしていた部分がある。
ところがどっこいここに来ての独自大会、甲子園交流試合。本音で大会が出来ることを喜べない選手もいることを、「選手のために良かった!!」涙を流している監督は自覚してほしい。


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