【フランスの森の中⑮】上裸でドレッドな妻子持ちヒッピーと、廃バスの中で成立した英国人カップルたちと、テントの中で「人間失格」を読みふける僕(19)と、時々犬連れてるおっさん。

前話: 【フランスの森の中⑭】上裸でドレッドな妻子持ちヒッピーと、廃バスの中で成立した英国人カップルたちと、テントの中で「人間失格」を読みふける僕(19)と、時々犬連れてるおっさん。

Merci, JP! Merci, la fôret!

そろそろ2週間も過ぎようとしていた。そもそもの目的は達成できているのだろうか。そう、フランス語の上達だ。ジペの娘さんの「これ何!?」攻撃の答えをこっそり聞いたおかげで語彙は増えてきた。ただし、文章的な会話は全くついていけない。あと、ジペから教わった、釘とかノコギリとかコンクリートとかやたら専門的な語彙も増えた(笑)自分自身を表現するのもまだまだ苦手。疲れた、とかお腹減ったとか。まさに3歳レベル。
でも、多分フランス語学校なんかにすんごいお金払っていくより、とてもコスパが良かったと思っている。実はジペとの刺激的な2週間を過ごした後、さらに別の家にいって、2週間くらい牧場で牛の乳しぼりとか、鶏小屋の掃除とか、チーズ作り、市場でチーズ売ったりしたりするんだけど、そこでもフランス語オンリーの生活だったので、結構上達していった。(ジペ家よりよっぽどww)しかも、お金はかかっていないし、毎日のご飯(&お酒ww)も無料だった。実は1か月間の滞在で、渡航費も込めて18万円しかかかっていない。航空費は13万円だったし、目的地までの移動費(電車安い)とパリで遊んだお金も含めて実質滞在費用は5万円くらい…。普通にフランス語学校通ったら50万円くらいするからね。バイト代では無理。
他にも得たものは大きい。そもそもこんなサバイバルを生き抜けたことで、まじで生き抜く力を得ることができたと思う。2週間、テントで寝る、シャワーは水、トイレはほぼバケツ、野外キッチン&たき火、きわめつけはベジタリアン生活。2週間ですごく臭くなったようなキレイになったようなよくわからない感じになった(笑)とりあえず1週間以降はお通じがほぼ臭くなかったよ。それからは多少のことがあっても、驚かないというか、「まあそうだよね」、みたいにどっしり構えることができていると思う。それから、ネットを2週間断ったのも大きい。常にオンラインの状態から脱し、どこにも逃げられない状況というのは後にも先にもこの時しかない。現代人には意外とこの環境に身を置くことは難しい。だけれでも、どうしても逃げたくて、夜な夜な人間失格を聞きながら気を落ち着けるという精神の不安定さも実感することができた…。
最終日。みんなにお別れをした。ジペもその家族も、ジョンとメアリも笑って見送りをしてくれた。おっさんは完全に存在は薄かったが、毎日何かをブツブツ言ってたんだけど、英語を話せないこのおっさんとは一番言語以外でコミュニケーションとったのだ…(仲は良かったよ)ジペは最終日まで上裸でドレッドで裸足だった。結局、1回しか何か着ているところを見たことがない。シャワー浴びているのを見たのも2回のみ。そんなジペに最後のお願いをした。
「ジペの髪の毛を僕の頭にのせて僕もドレッドになりたい」
最初の日の夜に決めていたことだ。僕が無事でここを過ごして終わることができるのならば、最後に証としてお願いしようと決めていたのだ。ジペは笑ってバサッと乗せてくれた。耐えられないくらいの臭いがしたけど、それすらも笑って、ピースサインをして写真を撮ってもらった。
これが僕のゴールドメダル。成長した証。
(蛇足だけど最後にもうちょっと続きます)

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