出逢った最初の日のはなし。
次話:
毒親と空色にとけるさくら
私の患者さんで
大手企業の重役の方がいました。
名前も会社名も出せません。
歯のクリーニングのときは、全てのプレッシャーと責任をおろして、【一人の人】でした。
私も一人の担当歯科衛生士の前に
一人の人間として、接しました。
患者『館花さんは、彼氏いるの?』
私『いませんね。どこかにいい人いるといいんですが』(当時私は20歳なのに精神年齢40歳といわれるほど落ち着いていて社長だろうが芸能人だろうが淡々とロボットのように。またはエヴァンゲリオンの登場人物綾波レイのように、歯のクリーニングしてました。そして書いている今は実年齢39歳の見た目20代という。)
患者『そうか〜!これから沢山恋をするだろうね。私は、妻に出逢うまで、モテる男は沢山の女性からモテることだと思っていたんだよねぇ』
私『え?違うんですか?』
患者『違うね。不特定多数にモテても心が満たされることが、1度も無かったね。その都度いい気分には、なるんだが・・・なにか、穴の空いているコップに水を注ぎこみ続けていた感じかな』
私『穴の空いたコップ?』
患者『いつまでも満杯にならなくて。・・・それがどうだ。妻と出逢ったら毎日楽しい。妻の声を聴くと安心するし癒される』
私『大好きなんですね、奥様が』
患者『あ、妻も来週クリーニングだから、言わないでくれよ?』
私『はい!もちろんです!』
患者『今でも、思い出す。妻が私に(街中で)ぶつかってきて、泣きそうな顔をして、謝るところが。』
私『漫画みたいですね』
(※実話です)
患者『妻より美しい女もいたし、可愛い女もいたし、だけど困っているあの顔がね。初心忘るべからずだ。館花さんも彼氏が出来たら最初の出逢いを思い出すといいよ。』
私『初心忘るべからず、ですね?何度も同じ人に恋をするんですか?』
患者『そうだね。それが出来るか出来ないかだ、恋愛は。出来ないと別れる。出来れば結婚も出来る』
その後、私はこういういい話を聞いたにも関わらず痛い恋愛をしていく。
友達も恋人も
【初心忘るべからず】
何度も思い出そう。
出逢った最初の日を。
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