PとUSA 第2話
18歳、高卒、ニート。
俺の友達は、頭のいい奴等が多かった。
旧帝大や早慶に進学した奴もいた。
SNSとかで、そんな事を知るもんだから、なんかすげぇ虚しく感じるし、焦燥感に駆られていた。
「周りの奴らは頑張ってるんだから、俺も頑張らねぇと」なんて思うんだけど、何もやる気にならなくて、ただ毎日をダラダラと過ごしていた。
ある日、何故か分からないけどふと思い立った。
「これからの時代英語が必要だよなぁ。英語話せたらカッコよくね!」
この安直な考えが後に俺の人生を変える大きな転機となる。
俺は、何故か英語を勉強しようと思った。
しかし、中学から英語の授業をろくに聞いていなかった俺は、高校の英語の評定が3年間ずっと2という有様で、be動詞の意味すら知らなかった。
とりあえず、「英語ってどうやって勉強すればいいんだろうか」ということから考え始めた。
『英会話教室』…行くような金は持ってない。
『参考書』…勉強する習慣ねぇから続かないだろうし、金が勿体ねぇ。
といろいろ考えるも、答えが見つからず…
「さて、どうしたもんか……。やっぱり、日本語が話せる外国人に教えて貰ったら楽だろうなぁ〜、なんかタダで外国人と知り合う方法ねぇかなぁ」
ということで、とりあえず時間だけは有り余ってる俺だから、
「外国人と知り合える方法」
をネットで検索しまくった。
そして導き出した答えが……
ペンパル(Penpal)
日本語で言うと文通ってやつ。
でも、ネットで人と知り合うことや個人情報を公開することに抵抗があった俺は、安全な出会い?を探すため、評判の良いPenpalサイトを探し回った…。
そして、辿り着いたのが
Japan-guide.com
と言うサイト。
このサイトは訪日・在日外国人が集まる世界最大の規模の日本旅行・生活・文化情報サイトで、俺が見つけた時は日本人+外国人交流掲示板(俗に言うコミュニティチャット)があった。
その中にペンパル募集専用のページがあって、ペンパルを募集しているユーザー名とコメントが並んでいた。
日本のことが好きな外国人の方が沢山、ペンパルを募集してます的な感じでコメントを書いていた。
ここで俺が衝撃を覚えたのが、このサイトはプロフィール登録が出来るんだけど、皆んな自分のプロフィールをちゃんと書いてるんだよね。
俺は、ネットで個人情報を公開するなんて絶対にありえねぇと思っていたから「すげぇ、マジか」って思ったのと同時に「真面目にペンパル探してるんだなぁ」と思った。
顔の見えない相手とのやりとりに抵抗感を持ちつつ、とりあえず片っ端から「Penpalになりませんか?」的な感じでメッセージを送りまくった……。
しかし、全く返信がない。
そもそも、日本語でやりとりができる外国人の方が少なかった。
たまに返信があっても。何回かやりとりをしてそのまま音信不通になる人が多かった。
「日本語を話せる外国人に英語を教えて貰おう」なんて安易に考えていたけど、現実はそう上手くは行かない。
とりあえず、俺は考え方を変えることにした。
「日本語が話せなくてもいいから、外国人と知り合って英語に触れていれば何とかなるだろう」と……。
そうして、再び片っ端からメッセージを送ってみたら、意外と結構な数の返信があった。
しかし、ペンパルと呼べるまでの関係になった人は殆どおらず、ペンパルになったとしても大半の人が第一言語は英語じゃない人だったから色々と苦労した…。
俺が読むにも書くにも翻訳アプリを使わないといけないから返信に時間が掛かる。
時差があるから、返信に大幅なタイムラグがある。
第一言語は教えられるけど、英語を教えるのは難しい。
とか色々な問題が生じて、ペンパル達とも段々と音信不通になって行ってた…。
そんなある日。
新しいペンパルを探そうと思って、日本語でコメントを書いていたひとりの人にメッセージを送った。
この時、俺はまだ知らなかった。
このメッセージを送った相手が、
俺の妻になる人
だなんて……。
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