イノベーション・マネジメントをディスカッション中心で学んだ時のこと。【3】

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リーダー指名とお題

最初の頃のある日のミーティングで、N先生から「リーダーを選出する」という話をされた。どうやって決めるのかと思ったら先生が直指名すると。しかも僕だと。おいおい。あんまり目立つのは好きじゃないし、まとめるのも苦手なんだよ。


とは言え言われてしまったものは仕方ないので、しぶしぶ引き受ける事になった。最初の飲み会への段取りをしてしまったのと、飲み会の帰り、先生と同じ方向だったからイロイロ話し過ぎた為かもしれないと、少しだけ後悔した。

それと、先生からお題を貰った。それは「チームとは何か」という内容についてこのクラスなりの見解を出すという事だった。期限は一月半後の前半終了まで。僕の一つの使命はそこに向けて意見集約をするということらしい。これは大変な(いや、面倒な)事になったと正直思っていた。

情報を集める事とやんわり発信する事

手元を確認すると、とにかく情報が不足していた。

まず、全員のやる気の問題。職業訓練なのだから、皆次の就職先を探したり別の生活を持っている。そんな人達の時間を奪わなければ先のお題への着地は難しい。どこまで時間を割いてくれるのだろうかという点。

次に、情報の発信と集約。IT系だったら全員にPCメールすれば一発で終わるものだが、年齢と職歴の違いから、PCなど普段利用しない人も半分はいて、連絡もレガシーなケータイの電話、頑張ってケータイのメールだった。飲み会の連絡程度ならケータイのメールでもいけるけれど、ちゃんとしたやりとりは難しい。

そこで僕が取った手段は、紙に印刷して配る、というアナログなものだった。人を集めて説明するような時間調整が不要で、とりあえず見せる事ができて、意見交換のキッカケにできるものとしてそれくらいしか思いつかなかった。僕がリーダーをしていた間、ほぼ週1(もっとかも?)くらいのペースで朝みんなの席の前に連絡手紙が置かれる、という状況があった。

もちろん情報不足を補う為なので、アンケート的な内容もかなりあった。みんなが割ける時間帯や曜日の確認、連絡手段として他に何かあるか、お題へのその人の持っている経験や背景。とにかく何でも連絡手紙をトリガーにして情報を集めた。

結果、皆かなりやる気もあり、好意的に物事を捉えてくれている事がわかった。おかげでとてもやりやすくなる。「知らない、わからない」という事はそれだけで判断を鈍らせるし、臆病にもなるから、なるべく知る事に努めるのは正解だったと思う。

結果的に出来たもの

最初はPCのある人と無い人の格差を気にして連絡手紙にしていたのだが、次第に様子が変わってくる。
講義の内容に関しては僕と協力してくれていた人で有志的にまとめていたが、後半になるにつれて、PC等をベースにした情報共有(Googleサイトをたてた)も全体で可能になってきた。有益な情報を集めれば、それを得たい事からアクションが自然に起こるのかも知れない。
結果、Googleのアカウントを全員が取得し(レクチャーも当然して、最低限の操作ができるようにはした)、閲覧、情報交換が可能になった。掲示板的な所にベリーダンスの先生が告知したり、近況の報告が出来るようにもなった。
その時の情報は今でも見る事ができる。僕らは卒業して1200日以上たったようだ。今もホワイトボードの写真を見て、「三ヶ月でこんなに沢山勉強したんだなぁ」と驚いたりする。面倒であってもこうやって保存しておく事は、振り返ってとても大切だと感じる。

発表に向けて〜発表


さて「チームとは何か」に向けては
  • メンバーへのアンケートで事前イメージ収集
  • ブレストで情報交換&一度発散
  • 発散した要素をカード化&サークル法の表現で集約
という順序でまとめていった。最後は大きな樹木のイメージで、太陽という目標に向かって伸びる樹のオマージュでチームを表現した。本当はここで絵を貼りたいのだけど、人の名前が出ているのと、みんなに了承を取るのを僕が億劫がって貼れません。ごめんなさい。
当初僕がファシリテーションしていた際のイメージとは全く違うのだけれど、全員が協力してまとめたこの形は、チームというものを行動も含めて具現化しているのでとても満足している。

発表も、フェーズごとに人を分けて先生に説明をした。説明の演者にそれまで人前で発表する事が苦手だと言っていた人が立候補する等、積極的な姿勢が出ていてとても良い流れだったと思う。
「ここは勉強の場所なのだから、失敗しても笑って許される。でも、会社で同じ事になったら笑っていられない。だから今練習しよう。」

そんな言葉が残っている。結果失敗等無く、素晴らしく良い形で幕を閉じた。

ゼロ・ベース

発表が終わっていろいろ一段落したところで、前半が終わり、少しだけ休みを取って折り返しに入る。僕はN先生と一回晩飯を食おうと約束していて、川崎の飲み屋で一杯やっていた。
先生は僕たちがしていた具体的な活動については知らない。基本的にお題を出して、結果を見ただけだった。断片的に情報交換はしていたけれど、ストーリーは知らなかった。
だから中間までの総括的なことと、この先の話を軽くしようというのが主目的だった。実はこの日の話は一緒に勉強したメンバーとはした事が無い。今だから話せる事が少し含まれている(とは言え、フェイスブックを積極活用している人はほぼ皆無なので、幸か不幸か読まれる事は無いだろう)。
この時までに僕の腹の中で決まっていた事は
「自分がリードしている状態なら今のまま、今の雰囲気で終わるのだろう。それはもっとステップアップする機会を皆から奪わないか?だから少し形を変えたい。」
という事だった。最も不安定だった初期の探り合う時期を越えて、一回メンバーのあり方が完成してしまった状態だと、もうあとは惰性になる事が見えていた。それはそれで楽な事ではあるのだけれど、実りは少ないだろうなと。
とは言え混乱させたい訳では無く、フォローしていけば良いのではないかというのが個人的な見解。
それは結果的に「リーダーの解任と再選」という形になる。「ゼロ・ベース」という言葉はそれまでの学習で皆理解していたので、この言葉を出せば皆納得するだろうというのが僕の主張だった。
先生は基本的に僕から提案したら絶対に反対しない。「よし、やろう!」という派なので、滞り無く話は済んだ。

そんなわけで僕のリーダー解任&新リーダーの再選が行われる、後半の訓練へ続く。

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イノベーション・マネジメントをディスカッション中心で学んだ時のこと。【4】

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